青春18きっぷ「鳥取・京都・名古屋」旅行記(2日目)

「2日目」と言っても、ネットカフェを出てからの話である。小田原駅には、「青春18きっぷ組」っぽい若者たちが、あちこちにいた。ホームにいると、どんどん人が入ってきた。「ムーンライトは、ガラガラで運行しているという問題が」とか、どこの都市伝説だろうというくらい席は埋まっていた。ちなみに、私は通路側に座っていたのだが、窓側の人は不在だった。車掌さんが改札に来たときにわかったのだが、その“不在の人”は反対側の通路側の席に座っていた人だった。二人で旅行するのに、二人で同じ列の両端の席を予約したらしい。両端を取っておけば間に人が来なければラッキーと思っていたのかもしれない。たしかにそちら側の通路側には人が来ていなかった。

JR、小田原駅

小田原駅のホーム

ムーンライトながら

大垣行の表示

そこで席の交換を頼まれ、反対側の通路側に誰もいなかったので、そのまま入れ替わることになった*1。結局、反対側の通路側には誰も来なかったので、この入れ替えは何も問題はなかった。窓側にいても、外は真っ暗だけど。

ムーンライトながら」は浜松で少し長めに停車する程度で、それ以外の駅の停車時間は短い。名古屋駅直前の「共和」「熱田」でも少し停まっていたが、これは時間調整のようだ。5:51に大垣に到着すると「大垣ダッシュ」と呼ばれる席取り競争がある。私は乗車位置が階段から遠かったこともあり、早々と断念して駅名看板などを撮影していた。6:29に米原に到着し、また別の電車(姫路行・新快速)に乗り換えるのだが、これは向かい側に乗るだけだから、流れに逆らわず座席を確保。もっとも、こちらは割と余裕があるようで、座れなかった人はあまりいないようだ。

大垣に到着

米原での乗り換え

実は事前に調べていた時は、6:49発の電車に乗る予定だったのだが、ここに停車していたのは6:31発だった。おかげで予定していたより早い7:29に京都。次は福知山行に乗るのだが、少し余裕ができたので、京都駅で見つけたマネケンで朝ごはん代わりのワッフルを購入。ホームに移動しても出発までに時間があったので、そのまま食べた。初マネケン:-)

京都に到着

マネケン

3月限定のキャラメルショコラ・ワッフル

福知山行に乗り換え

福知山行の電車

園部で少し長めに停車していたが、電車の運行は順調で予定通り福知山に到着。3月でダイヤが変わった影響か、「えきから時刻表」で調べたときより、次の城崎温泉行の電車への乗り換え時間に余裕がなかった(2分)。そして鳥取行に乗り換えて、13:57に鳥取に到着。だが、これで終わりではない。すぐさま米子行の「とっとりライナー」に乗り換えて、1時間20分ほどかけて、琴浦町観光協会のある赤碕駅にたどり着いたのが15:21である。ちなみに鳥取まんが王国だそうだ。「とっとりライナー」がコナンのラッピングだった。
http://manga-tottori.jp/

園部で停車

福知山に到着

城崎温泉で乗り換え

鳥取

「とっとりライナー」はコナンのラッピング

「とっとりライナー」の前面

由良駅はコナンだらけ

コナン駅って……

待合室もコナン

千葉県の駅と同じ名前、琴浦駅のモデル

赤碕駅に到着

赤碕駅の外観

少し遠くから

乗り換え以外、ほぼ休みなしで15時間かけて、ついに「琴浦さん」の聖地に到着したのである。富山行きの電車の窓から「Another」に出てきた観覧車を撮影したり、金沢駅観光協会に貼ってある「花咲くいろは」のポスターを撮影したのとはレベルが違う。ここを目的地としてはるばるやってきたのだ。ちなみに空路を使えば自宅の最寄り駅から始発でも午前10時前に到着するし、陸路でも新幹線や特急を乗り継げば半分の時間で済む。よく「金で時間を買う」という表現があるけれど、青春18きっぷを使って鈍行を乗り継ぐのは「時間を売っている」ようなものだと思う。まあ、今はたしかに売るほどある:-)

余談だが、鳥取駅で「とっとりライナー」に乗り換える前に考えることがあった。翌日の天気予報で降水確率が90%になっていたのだ。これで残りの10%に期待する人はいないだろう。「この日に琴浦町まで行って、鳥取まで戻り、翌日に砂丘を見に行く」というのが当初の予定だった。だが早い時間に鳥取を出発する予定でもあった。鳥取は11:10発の電車で京都に戻る予定だったから、間に合わせるためには10:10砂丘発のバスに乗る必要がある。一方、平日はバスの始発が9:10なのだ(砂丘には9:32着)。これだと砂丘での滞在時間が40分弱しかない。バス停から砂丘に行くにも少し時間がかかるだろうし、バスがが遅れたら、とんぼ返りになってしまうかもしれない。だが、鳥取駅にはレンタルサイクルがあった。8時から受け付けているらしいから、多少労力をかけても自転車の方が滞在時間が長くなるんじゃないかと思ったのだ。

だが、雨で自転車というのは辛い。まだ雨が降っていないこの日に砂丘に行けばいいのだが、一方の琴浦町も歩いてまわるつもりだったから、翌日、雨の中を歩き回るのは辛いし、聖地巡礼の写真が雨なのも残念だ。そもそも11:10に間に合うように戻ってくるには観光協会を後回しにする必要があるし、今回の主目的は砂丘よりも琴浦町である。だから、砂丘を諦めて琴浦町に行くことにしたのだ。後で考えたら、「滞在時間が短くてもバスで行けばいい話」だったけれど。

そもそも、この日も夕方から雨が降るかもしれなかったので、赤碕駅に着いて、早速観光協会に向かった。1年前の作品で、どれくらい「琴浦さん」ネタがあるだろうか不安だったけれど、玄関前には琴浦さんが描かれたバスが停まっていたし、中にも色々飾られていた。ポスターは持ち帰れるそうだ(というか、いただいた)。「琴浦さん」の場合は、そもそもアニメの舞台という意味での“聖地”ではない。2駅隣にある浦安駅がアニメの「琴浦駅」として使われているが、もとは名前の由来になっただけで、アニメ放送時の提供画面やコマーシャルで景色が使われていた程度である。

琴浦町観光協会のある琴浦町赤碕分庁舎に到着

入口に並べられた「琴浦さん」グッズ

ポスター、いただきました

琴浦さんナンバープレート(レプリカ)

観光協会の前にも琴浦さん関連グッズ

なお、参考にしたマップはこちら→「「琴浦さん」×琴浦町 「春香の旅」来訪マップ」 もともと徒歩でまわるつもりだったから、線路から離れた場所は行かないが、さらに雨が降るかもしれないという予報だったので、「河本家住宅」と「光の鏝絵」は序盤で断念。まずは「鳴り石の浜」に向かった。このとき、近くにあると聞いていた「ポプラ」というコンビニでビニール傘とレインコートを購入。天気次第では、レインコートを着て鳥取駅から砂丘まで自転車で行こうと思ったのだ。浜に降りて写真を撮り、来た道に戻って「波しぐれ三度笠」に向かった。実は、ここから海岸に沿ったまま行けたらしい(たまたま「花見潟墓地」という看板があって再び海岸沿いに降りてみてわかった)。


より大きな地図で 「琴浦さん」×琴浦町 「春香の旅」来訪マップ を表示

「鳴り石の浜」の案内板

鳴り石の浜(4話、提供バックなど)

琴浦町観光支援販売機

花見潟墓地

そして「波しぐれ三度笠」に到着。「琴浦さん」のコマーシャルで「モ、モアイではありません……」とコメントされていたものである。ライトアップの設備もあるらしいが、夜までは待てないので、神粼神社に移動。ちょっと場所がわかりにくかったが(スマホで“粼”の字が入力できないせいか、検索できなかった)、あちこちに案内板があって、あまり迷うことなくたどり着けた。誰が看板を用意したか知らないが(アニメのため?)、GJ:-) お参りしつつ、それっぽいところを撮影して移動。

波しぐれ三度笠(6話、提供バックなど)

波しぐれ三度笠(CM)

神粼神社(9話、提供バックなど)

神粼神社(CM)

次の目的地は「物産館ことうら」である。すでに午後5時をまわっていたが、休みなく移動し続けていたので朝マネケンを食べたきりである。物産館ことうらでコマーシャルでも紹介されたカレーとラーメンを食べようと思っていた。しかし、なんと食事の営業は終了していた。午後3時までの営業だそうで、赤碕駅に着いた頃には終わっていたわけだ、回り方次第で食べられたわけでもなかった。しかたないので、地元ブランドらしい飲むヨーグルトとシュークリームを買って食べる。ちなみに、こんなところに客が来るのかと思ったのは徒歩で坂道を上ってたどり着いたためで、反対側に回ったら(というか、そちらが表側だったのだが)幹線道路に接したパーキングエリアだった。そりゃそうか。

「物産館ことうら」

こちらにも「琴浦さん」グッズ

そして「琴浦さん」ポスター

とっくに営業終了していた「琴浦うまいもんや」

昼食

「物産館ことうら」の表側

そして6時で閉店となり、ここから浦安駅に向かうことにした。いや、その判断は遅すぎた。急がないと琴浦駅、いや浦安駅にたどり着く前に暗くなってしまう。実は明るいうちに浦安駅を撮影するチャンスはあった。浦安駅に着いたとき「3分ほど停車します」というアナウンスがあったのだ。駅の出口は跨線橋を渡った反対側だったが、「青春18きっぷ」を持っているのだから、一度出ても入ることができる。走れば間に合うかどうか、いやしかし他の人を押しのけては出られないだろうとか、もし乗り遅れたら次の電車まではだいぶ時間が空いてしまうとか考えているうちに時間がなくなってしまった。この時、走っていれば、色々思い残すこともなく済んだかもしれないのだが。

実際、「物産館ことうら」から「浦安駅」はだいぶ距離がある。途中で「琴浦ぐるめストリート」や「琴浦あごカツカレーバーガー」というのぼりを見つけたときは、もう諦めて、ここで食事を取ろうとも思った。「あごカツカレーバーガー」は作者のえのきづさんが琴浦町を題材にしたマンガのネタにもされていたものだ。だが、このときは、まだ少し明るかったので望みを持ってしまったのだ。後ろ髪をひかれる思いで浦安駅へ急いだ。だが、着いた時にはだいぶ暗くなっていた。ESP研が到着したのも夕方だったけれど、それよりもずっと。もう、この日はすることはなかったけれど、さっきのレストランに戻って……という気力は残っていなかった。

琴浦あごカツカレーバーガー」ののぼり

浦安駅を後にして、ふたたび鳥取駅に戻った。夕食を食べていなかったので、駅近くのモスバーガーに入った。一人で居酒屋に入る気はしないし、他にあまり選択肢がなかったのだ。モスバーガーの営業終了時刻が迫っていたのも、他を探し回る手間を諦めさせたといえる。食事の後、コインロッカーの位置やレンタルサイクルの場所を確認した。レンタルサイクルの営業時間は「8時半からですけど、まあ8時くらいならいいですよ」とのことだった。いや、鳥取県観光連盟のサイトに8時からって書いてあるんですけど。

浦安駅 a.k.a. 琴浦

その後、電話で予約しておいたネットカフェに向かった。安いビジネスホテルにでも泊まるつもりだったのだが、ここはネットカフェでありながら旅館業営業許可を取得しているということで、少し魔が差した。一晩(12時間)で2,180円。安いホテルは3,500円くらいからあるので、そこまで値段にこだわるつもりはなかったが(何しろ東京から出かけているのだ)、「青春18きっぷ」利用者らしく安さを狙ってもいいかと思ったのだ。この値段でシャワーも利用できるし、フリードリンクはある。時間をつぶすものもある(それより眠ろうと思ったが)。ただ、やはり落ち着いて体を休められたわけではない。

鳥取

晩御飯

ネットカフェで宿泊

ちなみに「琴浦さん」の1話は無料で視聴できる。とにかく10分以上続くアバン(オープニングが始まる前)が秀逸。中盤以降は、少しパワーダウンした印象があるけれど、少なくとも4話まではとてもいい話だ。というか、なぜか4巻までは amazon で安くなっているので、買ってあげて。

この日の記録

青春18きっぷ(1日分換算)=2,300円
ムーンライトながら=510円
マネケン・ワッフル(3個)=441円
琴浦さん名刺(4箱)=2,000円
雨具(傘、レインコート)=849円
飲み物(ペットボトル)=150円
琴浦うまいもんや(昼飯)=250円
モスバーガー(夕食)=1,010円
コンビニ(牛乳など)=494円
ネットカフェ=2,180円
合計=10,174円

歩数計=17,264歩

*1:もともとトイレに立つときに人の邪魔になるのが嫌だと思っただけだ。