例によって破壊屋さんの「邦アニベストテン2025」のためのリスト。(2021年版、2022年版、2023年版、2024年版)
【総評】
一部を除き、「合わなそうだな」と思うものは最初から避けるようにしてるので、そんなにひどいと思うものはなかった……と言いたいところだが、怖いもの見たさで手を出したもののいくつかは、予想した通り、あるいは予想外に期待外れだった。去年に引き続き前売券の爆買いをやめたので、映画館での鑑賞回数は34回(同じ作品では3回が最多)どまり。ただし、映画やアニメの先行上映やサイン会といったイベントものにはよく行くようになった。聖地めぐりを抑えぎみにしてグッズ消費にまわしてきたが、(怖くて計算してないけど)総額がちょっと恐ろしい感じになってきたので、来年は自粛する予定。どこまで守れるか分からない。
2025年の劇場アニメ全作品のリストはこちら→ Excel形式 HTML形式
アニメの先行上映を入れるか迷うものはあったが、今回からシネマカフェ、シネマトゥデイ、映画.comのような映画サイト、または映倫に情報がないものはExcel形式から除外することにした。だから12月28日に予定されている「推しの子」3期の先行上映は含まれていない(1期の「Mother and Children」は映画サイトに掲載されていた)。なお、HTML形式の方には来年以降のものも分かる範囲で載せている。
以下、私的ランキング。※2026/1/22修正(⑨と⑪が入れ替わっていた)
①ひゃくえむ。
②チェンソーマン レゼ篇
③わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) ~ネクストシャイン!~
④ペリリュー -楽園のゲルニカ-
⑤劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
⑥ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス
⑦ホウセンカ
⑧映画 先輩はおとこのこ
⑨劇場版総集編 ガールズバンドクライ【前編】 青春狂走曲
⑩プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第4章
⑪劇場版総集編 ガールズバンドクライ【後編】 なぁ、未来。
⑫映画小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜
⑬不思議の国でアリスと –Dive in Wonderland-
⑭機動戦士Gundam GQuuuuuuX
⑮メイクアガール
⑯この本を盗む者は
⑰ChaO
⑱ベルサイユのばら
⑲僕とロボコ
⑳果てしなきスカーレット
㉑無名の人生
㉒アズワン/AS ONE
㉓劇場版 呪術廻戦 「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」
㉔トリツカレ男
そして、例によって、ところどころにネタバレを含むレビュー。
①ひゃくえむ。

傑作。「チェンソーマン」とどちらをトップにするか迷ったけど、単独の作品ということでこちらを選出。監督のサイン会に参加できたというひいき目もちょっとある。原作コミックは未読。原作組から評判がよくないという噂を耳にしたけれど、よくできたストーリーだったと思う。原作者の「チ。」(テレビアニメ)や監督の「音楽」は個人的にはあまり好みではなかったので、ちょっと不安だったのだが、その反動、という面はあるかもしれない。時系列がいきなり飛ぶのも別にいいと思う。ロトスコープの使い方がしつこいな、と思った場面はあったけど、細かいこと。クライマックスの長回しは圧巻だったし、音楽もよかった。
②チェンソーマン レゼ篇

頭や腕がチェンソーになるという、それだけ聞いたら正気を疑うような設定の原作コミックは序盤で脱落した。テレビシリーズは色々言われていたみたいだけれど、個人的な思い入れはそれほどないので、わりと面白いと思って見ていた。修正された総集編を見ないまま劇場版を見たけど、ちゃんと面白かった。突拍子もない設定だな、という印象は変わらないけれど、製作委員会ではなく単体で出資したMAPPAの賭けが成功したようで喜ばしい限り。ちなみに世界興収は230億を超えているようで、日本以外の興収は「天気の子」より多い。
③わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) ~ネクストシャイン!~

映画館で「13時25分より12番シアターで上映の『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)~ネクストシャイン!~』の入場を開始いたします」ってアナウンスするんだよね。笑っちゃう。
という余談はさておき、テレビシリーズを楽しめた人なら間違いなく楽しめるであろう続編。何度か書いたけど、日頃は百合モノを見ないし、もとのテレビシリーズもパスするつもりだったのが、イラスト担当の竹嶋えくさんの「ささやくように恋を唄う」という別作品が舞台やアニメで不運に見舞われているのを見て興味本位で見ていた。これがなかなか尖っていて面白かった。そして続きがありそうな終わり方で出てきたのが劇場版。テレビと同じノリではあったけど、よく劇場版が「G」区分で済んだな(←ヤメナサイ)
本作は、テレビシリーズの1クールに収まらなかった話を区切りの良いところまで(5話分)制作し、せっかくだからテレビ放送の前に劇場でも上映しよう、ってなったようで、パンフレットすらなかった。当初発表された上映館が14館しかなく、近所での上映がなかったので見送ろうと思っていたくらいだが、その後、自転車で行けるところに上映館が追加されたので見に行くことにした。そもそも都心の映画館では満席になってしまい、出かける直前に予約するような私はお呼びではなかったみたいだが。
「なれ子が悪いんだよ」という本編にはどこにも出てこない言葉がちょっとしたネットミームになる程度に、ヒロインの甘織なれ子が悪いストーリーだったけど、あたたかく見守るしかないね。原作はラノベなので、この先もあるみたいだが、さらなる続編が出てくる未来もあると思う。すくなくとも企画は出ていそう。だからって、急に制作はできないだろうけど。あと、冒頭でテレビシリーズを超速で紹介していたが、意味あったのかな、とは思った。
たまたま同日公開となった「果てしなきスカーレット」の不振ぶりと対照的だったのも面白かった(←だからヤメロと)。すでに手元にはグッズがいっぱいだ!(←オイ)
④ペリリュー -楽園のゲルニカ-

良作。予告編やテーマから予想はしていたけれど、コミカルなキャラデザと戦争の悲惨さのミスマッチということなんだろうけど、時折CGの安っぽさを感じる程度で本編は真剣そのもの。史実を素材にしたフィクションらしいけれど、戦争にまつわる作品とかドキュメンタリーを思えば、いろんな要素がうまく組み合わされていたと思う。あえてネガティブな点を挙げるとしたら、どこかで聞いたような戦争エピソードが続くので、記号的に消化されているように感じららえる人はいるのかもしれない。そもそも幸せな結末を迎えるわけでもない。それがこの作品の意図するところなのだろうとは思うけれど。
あと、たとえ良作と思っても、体力を消耗する作品は、そう繰り返し見ようと思わないということはある。そのうちEテレあたりで放送されるかもしれない。
⑤劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

いまさら絶賛しないけれど、今までの延長線としては十分な出来だと思う。無限城のレンダリングは大変そうだけど、年寄りには長くてキツい、という以外の欠点は見当たらない。いちいち回想に入りすぎ、というのは同意はするけれど、まあ、この作品はこういうもの、というところ。完結した原作は買いそろえたまま読んでいないけど、残りの2作も楽しみにしてる。
⑥ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス

油断した。油断していたのだ。
“サガ”と「佐賀」というシャレだけで突き進んで勢いで笑いをとったテレビシリーズ第1期。日清とコラボした「カレーメシ」を買ったくらいには面白いと思った。たぶん思ったよりウケたから企画されたのだろう第2期は、わりと微妙で見返す気にならなかった。だから劇場版の前売券を買ったのも特典の団扇が欲しくなっただけで、決して大きな期待はしていなかった。
【ネタバレ注意】
宇宙人が攻め込んでくるという、よく持ち込んできたなという設定はさておき、容赦なく攻撃してくるわりに、なぜか反撃準備ができるまで待ってくれたり、なかなか都合のよい展開も、もともとゾンビというファンタジー世界だからと受け入れていた。そうなれば、終盤で“たえ”の覚醒が持たないことも、ああそうなるんだ、と思っていた。だから、そうなることは分かっていたのだ。
クライマックスのライブシーン、そうなることは分かっていたのに……泣いた。え、映画館でそんなに泣く?いい大人が?っていうくらい泣いてしまったのだ。まさに珠玉のライブシーン。本編のトンデモ展開なんてどうでもいいや。ああ、座席が前の方でよかった。人に見られないよう、そそくさと席を立ち、涙をぬぐいながらシアターを出た。
山田たえに花束を。
⑦ホウセンカ

佳作。監督と脚本が名作テレビアニメ「オッドタクシー」の人、制作が「夏へのトンネル」「ポンポさん」と大好きな作品を連発しているCLAPと、実のところ今年一番の期待作だった。ムビチケ2枚に加えて布教用も買った。面白い作品だとは思う。昭和のヤクザが主人公で時代感を含めたストーリーはよくできていた。好きか嫌いかで言えば、間違いなく“好きな作品”である。先行上映やトークショーにも出かけた。それだけに言いたいことがある。というか、設定の気になるところが最後まで解消されなかった。
【重要なネタバレ注意】
タイトルになっているキーアイテムの“ホウセンカ”。それがファンタジーな要素と思わせて実は……というのは「オッドタクシー」からの学びだけど、終盤まで本当にファンタジーな雰囲気だった。けれど、そこに“ホウセンカ”が届いた、ということがポイントなのであって、あとは阿久津の妄想と考えることはできる。それはいい。
中盤まで、これはプラトニックな話なのかと思っていた。飲み屋で意気投合したという女性と“いい仲”にならないの?とは思ったが、序盤で「好きだったけど、好きと言ったことはなかった」と言っていたくらいだ。深い仲にならなくても、一方的な思いだけでトンデモないことをしでかす、というのは「容疑者Xの献身」にもあった話だ。そう思っていたら、中盤になって那奈が「籍を入れてくれない」という話をする。プラトニックな関係で、女性側からそんな話しないよねぇ。もしそうなら、那奈はどんだけ厚かましいんだ?ってなる。阿久津は別に奥手じゃなく、羽振りがよくて夜の街で遊びまわっていたくらいだし、一つ屋根の下で暮らしてるんだから、別に関係があったっていい(後日、トークショーがあって木下監督に男女の関係はあった、と確認できた)。
そこまでの関係で、しかも阿久津が子供のために何をしたか分かっているのに、送られてきた手紙を読みもせず、面会に行こうともしなかったのか。そして時間が経って、手紙を読んで“ホウセンカを届けることはできるのに”返事も書かなかったのか。子供の命の恩人なのに、それを黙ったまま放置していたのか。なんか、桁外れに厚かましいんじゃない? 那奈と健介を“ヤクザの家族”にしないために阿久津が籍を入れない、というのは分かるけれど、そもそも一緒に住んでた時点でアウトなのではないか。近所づきあいとか学校のようすは何も描写されていなかったと思うが、住んでる地域も都会という雰囲気ではなかったし、地方で昭和で、そんなに甘くない気がする。手紙に面会に来るなと書かれていたのかもしれないが(そういう描写はなかった)、子供の命の恩人なのに、最後に隠しておいたお金を見つけてニコニコさようならというのでは、那奈がドライ過ぎるのではないか。むしろお金は手切れ金として堤に渡して、キレイに縁を切って阿久津を迎えに行けば、3人で幸せに暮らせたのではないか。なにやってくれたんだ、那奈、と思ってしまうのである。
郵便局の移転届は、届けを出してから1年有効というだけで実際には何回でも延長できるし、アメリカの心臓移植は本来国内向けに順番が決まっているのであって、大金を積んでくれる外国人には少数に限って割り込みができる、という仕組みが決まっているものなので、そこに中国ヤクザが入り込める余地はない。ああいうケースは、それこそ犯罪者とか誘拐とかで臓器売買(人身売買)という“命の取引”がなされていても不思議はなく、それを踏まえれば「助かってよかった」だけの話にはならない。というような、ちょっとなあ、という設定には目をつぶるけど、那奈の行動は解せない、というのが正直なところ。
わざとらしく泣かせにこようとしないストーリーなのは好感だし、期待から大きく外れていたわけではないけれど、期待が高かった分、絶賛しにくい作品だった。
⑧映画 先輩はおとこのこ

佳作。わりとキレイに終わったテレビシリーズの続きもの。封切り時点でテレビシリーズを再放送していた途中だったけど、冒頭でダイジェストを見せたり、人間関係を紹介することもないので、一見さんお断りな感じ。テレビシリーズを地上波で再放送してたけど、再放送が終わるまでに劇場公開も終わっちゃうんじゃないかと思っていたら、近所の映画館はそうなった。一応、テレビシリーズのダイジェストを紹介する特番は放送してた。
【重要なネタバレ注意】
テレビシリーズで、ある程度決着してはいたけれど、どちらかというとサブキャラだった咲がメインの作品。ストーリーは、無難といえば無難なものだけれど、咲の両親が二人ともワガママで咲がかわいそうになる。クジラの研究をしたいから海外赴任になるのは、分からないでもない話だが、だからって離婚するの? どちらが別れることを決めたのか分からないが、世の中、長期の単身赴任なんていくらでもあるわけで、一緒に赴任先に行けないから別れる、程度の感覚で子育てしてて、よく咲がグレなかったな。父親がしょっちゅう約束をすっぽかすのも問題だけど、母親は母親で大きな問題がある。いまどき家の鍵を持ってるオジサンがいるのに娘と同居しようとするの、常識を疑う。本当にいい人だとしても、咲が身の危険を感じても不思議はないわけで、そりゃ、泣くよ。これでグレなかったのはおばあさんのおかげかもしれないが、それでも叔母さんに「あの子は自分で決められない」とか言われるのは、かわいそうすぎる。大好きなまこと先輩に逆告白されて情緒不安定になるのもしょうがないというか、まあ、最後にはハッピーエンドになったからいいんだけど。
登場人物に悪役がいない作品が好きだけど、咲の両親は性格に難アリとしか言いようがないのに、そのわりには「それぞれの立場があった」みたいな感じで描写されているのもどうかと思った。あと、終盤の放送室はちょっとやりすぎな感じ。原作には手を出していない。
⑨劇場版総集編 ガールズバンドクライ【前編】青春狂走曲

前編・後編ともにテレビシリーズが基本だから、中身は知ってるわけだが、おさらいせずに見に行ったせいで、あまり覚えていないところもあり、ちょっと新鮮ではあった。前後編でそこまで好き嫌いに大きな差があるわけじゃないけど、プリプリを10位に入れるためと、前編は舞台挨拶を見に行ったこともあり、後編を11位にした(←オイ)。舞台挨拶がなかったらスルーしてたと思う。
まあ、ちょこちょこグッズを買う程度には好きな作品で、仁菜は魅力的なキャラだと思うけど、あのヒステリックさは正直苦手。自分の若い頃を思い出すと、あんなもんだったかな、という気もするのだけれど。
⑩プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第4章

佳作。あれからどういう展開になるのかと思ったら、突拍子もない展開という形でもなく、そのまま突き進んでいった。そこで無情の決断をするというのがテレビシリーズ1話だったと思うが、わりと無難な展開。でも、あと2話でハッピーエンドになるという気が全然しなくて心配になる。いや、それよりも第1章、第2章と同じ年に公開されて、「OVAなんて、そういうものだよね」と思っていたのが、ガルパンを追従するかのように2年ごとの公開になってきて、この先、ちゃんと結末まで見られるのかどうか心配になる。丁寧に作っているのか、ストーリー作りに難航しているのか分からないけれど、余命のカウントダウンは始まってるんだよ!
⑪劇場版総集編 ガールズバンドクライ【後編】 なぁ、未来。

こちらもテレビシリーズの総集編で、ちょこちょこ忘れていた部分はあるけれど、基本的には知ってた話。前編と同じく、近所の映画館で舞台挨拶があったのだけれど、別件があって時間が取れず、通常の上映を鑑賞。
⑫映画小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜

テレビシリーズが好きな人にはいいと思う。私は、そこまで入れ込んで好きなわけではないけれど(人外の日常系という設定はあまり好みではない)、京都アニメーションが事件以来制作したのが本作のテレビシリーズ2期であり、その続きということもあって鑑賞した。映画のために書き下ろしたストーリーと思っていたが、どうやら、ちゃんと原作にある話らしい。テレビシリーズとのつながりもよく、ごく自然な続きものとしての劇場版ではある。クレジットで「シリーズ監督 武本康弘」と出ると、涙腺が緩む。舞台挨拶を見に行ったら、小林幸子さんがサプライズゲストとして登場して、主題歌の歌唱まであったのはいい思い出。
⑬不思議の国でアリスと –Dive in Wonderland-

意外に「不思議の国のアリス」要素が満載だった。あまり期待していなかったこともあり、普通、という感想だった。リアルを意識してVRっぽい装置を装着してたけど、そうはならんよね、というところがちょいちょいあった。どうせフィクションなんだから言い始めたらキリがないけれど。
⑭機動戦士Gundam GQuuuuuuX

私は、いわゆる「ファーストと逆シャア」派で、以降のガンダムで見続けたものがない。「閃光のハサウェイ」は見たが、面白いと思わなかったし、たいして覚えていない。興収50億を超えた「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」も見なかったし、本作も見送りかと思っていたが、やたらと話題になっていたので、特典に釣られて見に行った。
庵野秀明が脚本に参加したと聞いて予想はしていたけど、うん、これは「シン・ガンダム」だね。少なくとも前半は、ガンダムの二次創作。話の作り方はうまいのかもしれないが、「ゴジラ-1.0」が“ゴジラ本編”なのに「シン・ゴジラ」が“二次創作”という印象なのと同じ。“新作”だから配信でファーストを見るより、ずっと画がキレイだとは思うけど、どうせテレビ放送するなら別に見なくてもよかったな、という感じ。
【ネタバレ注意】
とくに後半、今どきそんな展開で導入していくのかとビックリした。転んで偶然何かを手に入れるとか、ぶつかって大事なものを落とすとか、いにしえの少女漫画かと。非合法デバイスを運び損ねて「次にやったらクビ」とか、いや、そんな闇の仕事、一度失敗したらクビどころか命の危機じゃないのか。やさしいアングラだなあ、オイ。しかも、マチュが手をぶつけて代金の金貨っぽいものを川に落としちゃうとか、それ「バトルで勝てば賞金」とか軽く提案できるような話じゃないよね。もっと申し訳なさそうにしろというか、あとの2人ももっと焦りなよ。無駄だと分かっていながら川に飛び込むくらいのことを想像したんだが。
ただの“先行上映”でなかったので、見て損したともつまらない作品とも言わないけれど、やっぱり"not for me"という印象はぬぐえなかった。一応、テレビシリーズも最後まで見たけどやはり好みではなかった。なんかプロットの作り方が古くない?
⑮メイクアガール

「カノジョを作ればパワーアップできると聞いて、人造人間のカノジョを作ってしまうという」というストーリーのどこに魅力があると思ったんだ?と見送ろうと思っていた作品。なんで見ることにしたかというと、駿河屋で「天久鷹央の推理カルテ」のポスター(献血の特典)を購入したときにセットになっていたからだ。単品よりセットの方が安かったのだ。意味わかんないよね。そして、そのポスターのキャラデザがキービジュアルより可愛いかな、と思ったのだ。前売券(ムビチケ)買ったよ。
閑話休題。
【ネタバレ注意】
うん、「0号」は可愛かったよ。でも、ホントに「カノジョを作ればパワーアップできると聞いて、人造人間のカノジョを作ってしまう」というストーリーだった。そして“苦労してカノジョを作り上げる”話ではなかった。作る過程が何もなかった。それならそれでもいいのだが、話の流れが飛び飛びになってる感じで、感情移入できる間がない。もうちょっと“話の流れ”というものを考えられなかったのか。最後の叫びもよく分からない。なんかロボットとかアンドロイドを暴走させるストーリー、やめてもらえないかな。
ストーリーが雑でも映像が良ければ、と思うところだが、この映像が微妙だった。なんでもスタッフ6人で制作していたらしいから、行き届かないところがあるのは仕方がないのかもしれない。でも、アニメとしてキツかった。なにしろ動きが“もっさり”しているのだ。CGやっててイージング(動きの抑揚)を知らないことはないと思うけど、全体的に等速度で動かしてない?と感じてしまうのだ。「ガールズバンドクライ」がイヤというほど動きがキビキビしているのとは対照的である。続編(というか新作?)の話もあるらしいけれど、ちょっと見送りかなあ、と思っている。
⑯この本を盗む者は

原作は未読だが、アニメそのものは丁寧に作られていたので、原作が好きな人にはよいのかもしれないが、どういう心持ちで見ればよいのか分からなかった。
【ネタバレ注意】
夢オチと言ってしまうと色々不都合が出てくるので、ファンタジーな世界の話なのだと思うから、それなりにつながりが不自然でも許されないわけではないが、“本”というものを神聖化しすぎて、ちょっと話に無理が出てきている感じ。おばあさん、ただの悪者だったのも何だか今どきっぽい感じがしない。あと、古くから続いている家という設定だけど、それでなんで呪いを「ブックカース」なんて英語で呼んでるの?
ちなみにプレミア上映の舞台挨拶に、タレント声優とプロ声優が並び、さらに監督が登壇するだけじゃなく、キャラデザの人まで登壇していたのは、ちょっと驚いた。それだけ“アニメの作り”に自信があるということなのだろうか。タレント声優は目をつぶってもいいかな、というレベル。
余談だけど、エンドロールの文字が小さい。この作品に限らないが、小さな文字を読み取らせるのはやめてほしい。舞台挨拶回だと、前の方に座れるとは限らないんだよ。
⑰ChaO

個人的には当たりハズレの大きいスタジオ4℃作品。アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を取ったとはいえ、“あの”「日本沈没2020」も取ってるものだし、そもそもよくこのキャラデザで行こうと思ったな、というようなキャラデザで、見送ろうかと思っていたが、そのキャラデザを担当したのが「グリッドマンユニバース」の作監だった小島大和氏だったので(イラストが可愛い)、勢いで見に行った。
キャラデザはさておき、よくこのストーリーで行こうと思ったな、というストーリーだった。みんなワガママが過ぎて、感情移入できるキャラがいない。半世紀前なら「トムとジェリー」とか「ドラ猫大将」みたいなアニメがあったわけで、受け入れられたかもしれないが、コメディにしても寒い。「おとぎ話」をテーマにしてるから、ハチャメチャやってもしれっと進んでいくということだろうし、だからこその妙に“尖った”キャラデザなんだろうとは思うけれど、ただただキツかった。作画枚数10万枚を喧伝するだけあって、映像はすごいと思うし、それを活かしたエンドロールは唯一といってよい見どころだと思うが、少なくとも「ストーリーがよいのに認知が広まらなかった」というような作品ではないと思う。集客のためのタレント声優も棒読み感がキツかった。鈴鹿央士さんは、「夏へのトンネル」のときには雰囲気に合ってると思ったんだけどね。
⑱ベルサイユのばら

もともと古いテレビ版をちゃんと見ていた記憶がなく、そんなに好きな話ではなかったため、劇場で見るか迷って見なかったが、Netflixで配信されたのを機に鑑賞。いや、なに、これ。
脚本が説明的で場面ごとに感じ入る暇もなく話が進んでいくのだが、しょっちゅう歌詞つきの曲を流しながらシーンをやりすごしてて、ストーリーのまとまりを感じられない。マリー・アントワネットが主役なのかと思ったら、クライマックスはオスカルとか、置いてきぼりにされた感じだった。むしろこれで興収が5億超えたというのはすごいと思う。
⑲劇場版 僕とロボコ

配信が始まったので鑑賞。テレビシリーズはショートアニメとしては、そこそこ面白いと思っていたけど、長尺はちょっと厳しかったかな。声優連れてきて、本気でパロディやってて、ノリはテレビ版とたいして変わらないと思うけど、ショートアニメでちょいちょい見るくらいがよかった。メタネタが好きな人にはいいかもしれない。
⑳果てしなきスカーレット

駄作、としか言いようがない。
【ネタバレ注意】
すべては昏睡状態にある夢の中の話ということにすれば、脈絡のなさを説明できるのかもしれないが、現代人である“聖”の設定がそれを許さない。死後の世界で食事を(排泄も)しないのかと思って見ていたら、食事するシーンが出てくるし、トルティーヤとか、その食材をどこで調達しているのか。そもそも死後の世界なのに、王も民もなぜかそのまま社会を構成しているらしく、いや通貨とか労働とか、どういう社会ができあがっているのか、さっぱり分からない。やはり夢?
時代が入り混じるといっても、結局聖以外に現代人は混じってこなかったし、ほかの世代が出てくる気配もなかった。そもそもデンマーク人と日本人が言葉の壁を乗り越えて会話してるのも、何の説明も解釈もなかった。最後はスカーレットが目覚めて“やっぱり夢オチ?”ってなるところだけど、じゃああの奇妙なダンスシーンは何だったのかとなって堂々巡りである。次の細田作品は(期待せずに)見ると思うけど、次もこんなんだったら、その次はない。ガッカリ。
㉑無名の人生

ほぼ個人での制作ということで、ちょっとパスしていたのだが、時折よさげな感想が流れているので気になっていた。ちなみに「ひゃくえむ。」の岩井澤監督がプロデュースしている。そうこうしているうちに上映は終了して配信がはじまったのだが、たまたまブラックフライデーで「U-NEXT」のキャンペーンをやっていて、そのポイントでレンタル視聴。おとなしい言い方をすれば "not for me"。好みではなかった。
個人制作にしては頑張っていると思うし、アニメとしての動きは目をつぶるところもあるけど、そもそも、みんな初見でストーリーを把握できるんだろうか。だんだん明らかにされていくという面があるにせよ、(それを意図しているのか分からないが)誤解してたり分かりづらいところがちょこちょこあって、ストーリーに入り込む気持ちの妨げになった。そもそも芸能界の闇みたいな部分の取り込み方が記号的で好きではなかったのだけれど。
㉒アズワン/AS ONE

事前のプロモーションを見る限り、見送るか迷うレベルだったけど、つい前売券に手を出した(布教用の分も買った)。「シドニアの騎士」の静野孔文監督だった、ということもある。開始15分くらいで「そんな設定なのかぁ」と声が出そうになったのは「あした世界が終わるとしても」以来。なかなかツラい鑑賞体験だった。「パシフィック・リム」を思わせる設定、使い古された時間のズレ、綿密に仕組まれたとは思えないストーリー展開など、よくこの企画を通したな、という内容だった。これで原作があるとは思わなかった、と思ったら、直接的な原作ではなく、これが前日譚になっているらしい。タレント声優も、キツい。ラコがかわいかったのが唯一の救い。
㉓劇場版 呪術廻戦 「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」

別に「呪術廻戦」にそんなに入れ込んでいるわけではないので、見るつもりはなかった。来年から始まる3期に備えて、過去分のおさらいはすませてある。これが新作の先行上映だけだったら見に行ってもよかったが、年を取るとトイレが近くなって、放送済みの部分が追加されて長くなるのは何も嬉しくはないのだ。だが、破壊屋さんが「果てしなきスカーレット以下のワースト」評価していて、そんなわけがないだろうと思って見に行った。
誰か止めるヤツはいなかったのか。
TOHOシネマズなんかがそうだけど、下手をすると映画の上映前に20分くらい予告編を見せられる映画館がある。本作は、それが40分くらい(体感では1時間くらい)続く感じだ。“特別総集編”が、こんなただのダイジェストが続くだけのものとは思いもしなかった。テレビ放送でやれよ、そういうの。そうしたら流し見くらいで済ませるから。後半の新作部分は、普通にテレビアニメの序盤という感じだったから、それだけを上映してくれればよかった。
㉔トリツカレ男

これは駄作というより、ダメな映画だと思う。映画サイトでの評価が意外に高くてビックリだけど、その人たち、新興宗教にハマらないか不安になる。
【重要なネタバレ注意】
“トリツカレ”が言葉通り執着を意味しているけど、のっけから主人公(ジュゼッペ)の“ストーカー”気質がめいっぱい描写されていて、ちょっと引いた。そして、彼の“思いやる行動”をそのまま信じてしまうヒロイン。いや、ちょっとはアヤシイと思った方がいいよ。もちろん主人公なのだから悪意がないことを見てる我々は知っているわけだが、ヒロインの立場でそんな鵜呑みにしてしまうというのは教育上どうなのか。
そのジュゼッペは“金に糸目を付けずに助けようとする”んだけど、それこそお情けで仕事をもらってる感じだったのに、実は大きな収入源あるのかと思ったら、そういうわけではなかった。金に糸目を付けないならと手伝った人たちには、どういう見返りがあったのか?といった疑問が置いてきぼりにされる。主人公目線だけで考えたら、ヒロインに全力で尽くす“超善人”なのかもしれないが、そのために振り回される周りの人のことが考えられていない。彼はいい奴だから助けたくなるんだ、という設定なんだろうけど、それですむわけがない。こういう“信じることは素晴らしい”みたいな展開、「プペル」でも感じられたことだし、プペルも意外に評判がよかったりするのだが、全然受け付けない。