「舞台めぐり」の思い出

■前振り

※そのうち加筆修正するかもしれませんが、今日のうちに書いておきます。
「舞台めぐり」とは、アニメの聖地巡礼を支援してくれるスマホ用のアプリです。各作品公認のアプリであり、舞台となった場所の画像を参考にして聖地巡礼したり、キャラクターとともに写真を撮影できるもので、のべ80作品以上のアニメで利用することができ、長年愛用していました。そのサービスが、今日(2023/10/2)、終了しました。マネタイズが難しかったのか、コロナの影響が大きかったのかは分かりません。公式サイトは、ほとんど空っぽになりましたがアプリの紹介ページは残されているようです。私自身はソシャゲをやらないのですが、「長年続いたソシャゲが終了するときにユーザーが感じる喪失感は、こういうものなんだろうか」という気分です。

もともと私が深夜アニメを見始めたのは東日本大震災で軒並み仕事がキャンセルになり暇になった2011年のことです。たまたまゴールデンウィークWOWOWで「化物語」を(再)放送していて「アニメってけっこう面白い?」と思い始めたことと、自分用のレコーダーを買ったこともあり、夏アニメが始まる7月から録画を始めて一気にハマりました。

当初、レコーダーで録画すれば十分で、わざわざ円盤を買うのはよほどのファンなんだろうな、と思っていましたし、まして聖地巡礼とか酔狂な人もいるものだ、という程度の感覚でしたが、2014年の夏に「琴浦さん」のイベントに参加して以来、だんだんと深みにハマっていきました。“布教用”なんて空想の世界の言葉かと思っていたくらいですが、今では新人研修のたびに受講生に布教するグッズを用意しているくらいです。こんな私に誰がした。

■舞台めぐり
閑話休題
舞台めぐりでは、キャラクターとともに写真を撮る機能を「AR撮影」と呼びます。聖地巡礼マップは、公的なものから個人で作っているものまで色々ありますし、私のようなモノグサなものにとっては、マップ上に聖地の場所が表示されるというだけでも便利なものですが、このようにキャラクターと撮影できるというのが公式に認定されたアプリだけに許された大きな利点です。
私がはじめて撮影したのが「ヤマノススメ」の舞台である飯能の「飯能まつり」で撮影したこの写真。

投稿のアーカイブ

最初は説明をよく読んでいなくてキャラクターを移動できることも知らなかったくらいです。その機能は、すぐに気づいたのですが、もっとたくさんスポットがあったのに、期間限定で設定されていた「スペシャルARポイント」という場所だけしか撮影していませんでした。でも楽しかった
必ずしも舞台めぐりだけに絞って聖地巡礼する作品や場所を決めていたわけではありませんでしたが、舞台めぐりが使えるかどうかは大きな決定要因でした。その後も、「ガールズ&パンツァー」(大洗)、「あの夏で待ってる」(小諸)、「ふらいんぐうぃっち」(弘前)、「氷菓」(高山)など、多くの場所に行きました。
聖地のスポットが地図で示されて、その場所でキャラクターとともに撮影できる、というアプリは他にもありますが、その使い勝手は圧倒的でした。舞台めぐりもだんだんと機能が強化されてきたものではありますが、同じような目的の他のアプリではキャラクターがサイズ変更できない(移動すらできないものもある)、ズームができない、縦横を切り替えられない、(舞台めぐりでも限定的ですが)ARキャラクターを持ち帰って撮影できないなど、そもそも使える期間が短いものばかりと、その利便性は比べるまでもないものです。これまで舞台めぐりを活用してきた地域で、すでに他の手法に切り替えているところもありますが、そういうものを使うたびに舞台めぐりのすばらしさを実感します。聖地アピールしたい他の地域は、他のサービスを利用するくらいなら舞台めぐりのアプリ自体を買い取る方がいいんじゃないかとすら思いますが、おそらく運用にもコストがかかっていて、それがサービス終了の理由にもなったかもしれないと思うと難しいところです。
今は、これだけのめり込むことができた舞台めぐりを長年提供し続けてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。あと、「butaimeguri.com」ドメインは捨てないでくださいね

■思い出深い作品
もちろん好きな作品だからこそ聖地巡礼するのですが、舞台めぐりがあったからこそ何度も訪れたところ、あるいは舞台めぐりがなければ知らなかった作品というものもあります。

・「響け!ユーフォニアム」(宇治)
だいたい1年よりも短いくらいのペースで、決められたスポットをいくつかチェックすると「マイAR」(好きな場所で撮影に使えるキャラクター)をゲットできるという企画をやっていました。おかげで、しょっちゅう宇治に行っていました。私は平成元年に上京しましたが、帰省した回数より、宇治を訪れた回数の方が多いくらいです。私はクルマがなく公共交通機関(あるいはレンタサイクルや徒歩)でまわるので、遠い場所にある「アクトパル宇治」が大変でした。

これまでのユーフォコラボに効果があったのか、今年の9月から「舞台めぐり」の代わりにブラウザベースのアプリに切り替えて新たな企画が催されていますが、(少なくとも私のスマホでは)ビックリするほど反応が悪く、実用的とは言えないくらいです(これはスマホが悪いかもしれないのですが)。
宇治(あるいは京阪電車)は、しばしばユーフォコラボを実施しているのですが、その割にユーフォにちなんだお土産がないのが残念です。先日は、外国から来ていた人にも聞かれました(たまたま京都タワーがコラボをやっていたので紹介しました)。
ちなみに、京都は他にも多数の作品の聖地になっています。舞台めぐりでは「有頂天家族」「おこしやす、ちとせちゃん」「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている(2期以降で実装)」のスポットがありました。東映太秦村で「五等分の花嫁」の企画があったときにも行きましたし、これで「五等分の花嫁」にハマりました。

・「あの夏で待ってる」(小諸)
年1回よりは少ないペースでしたが、定期的に行っていました。イベントがあったときはバスを使ったり宿泊したりしましたが、青春18きっぷを使って日帰りするのにちょうどよい場所なんですよね。ダムがなくなったり、だんだん風景が変わっていきました。「おみやげのみやさか」には、コラボ商品が色々あります。

・「氷菓」(高山)
こちらも年1回というほどではない程度に行っていました。わりと後で実装されたのですがチェックすると主人公たちのマイAR(1年間有効)をゲットできるのが魅力でした。毎年それを更新しに行っていたようなものです。「氷菓まんじゅう」というお土産があったのですが、糖尿病だからと手を出さずにいたら、新型コロナ以降作られなくなってしまったようです。桜の時期に臥龍桜のスポットで撮影できなかったのが心残りです。

・「結城友奈は勇者である」(観音寺)
早くから実装されていた作品で、何度も訪れました。毎年岡山に出張しているついで、ということもありますが、しまなみ縦走の帰り道やイベントがあったときなど、1年で3回くらい行ったこともあります。こちらもコラボ商品が色々あります。

・「true tears」(高岡)
私が深夜アニメにハマる前に放送されたもので知らない作品でした。舞台めぐりに実装されていることは知っていたので、「君の膵臓をたべたい」の聖地巡礼をしようとしたときに、せっかくだから見てみたら“どストライク”でした。ちなみに「君の膵臓をたべたい」はCOCOARという別のアプリを使っていて、使える期間はすぐに終わってしまいましたが、「true tears」はずっと使えていたので何度も訪れました。

・「輪廻のラグランジェ」(鴨川)
NHKのせいですが)聖地巡礼アピールの失敗例として取り上げられることが多かった作品です。それでも長い間、聖地アピールが続いています。一人では入りにくいと思っていた鴨川シーワールドも含めてちゃんとコンプリートしました。「鴨川エナジー」は今でも売られています。

・「のうりん」(美濃加茂
ここは最初、別のアプリで聖地アピールしていました。それが終了して、舞台めぐりが拾ってくれないかなと思っていたら、本当に実装されました。ちゃんとコンプリートできました。電動アシスト付き自転車が借りられるのですが、バッテリーが劣化していて、すぐになくなった思い出。

・「ふらいんぐうちっち」(弘前
純粋な聖地巡礼と、さくらまつりで2回行きました。下大秋バス停まで自転車をこいでやたらと坂道が多くてヘトヘトになったのも懐かしい思い出。巌鬼山神社のスポットだけを残していて、いつかは行くぞと思っていたのに行けずじまいでした。

・「刻刻」(所沢など)
そもそも「刻刻」のメインは観光地ではなく住宅街がほとんどです。それも観光地じゃなく聖地の面白いところ。これもコンプリートしました。

・「ヤマノススメ」(飯能、三ツ峠山
「舞台めぐり」を使ったのがここです。そして、今日、締めくくりに行ってきました。自宅から25kmほどの距離なのですが、歩いて行ってみるということも何度かやりました。(帰りは電車) 飯能市街のほかにもスポットはあったのですが、それらも含めてコンプリートしました。

・「とある科学の超電磁砲」「とある魔術の禁書目録」「ガッチャマンクラウズ」(立川)
一番近い舞台めぐりのスポットでした。「めぐりポイント」が実装されてからしばらくは、しょっちゅうポイント稼ぎに出かけていました。歩いて片道1時間くらいかかるので、近くに住んでいる人がうらやましかった。「めぐりポイント」がはじまって1年ちょっとはトップ10圏内を維持するくらいには頑張っていました。そのために、買い物に出かけるだけでも「ちょっと買い物」とチェックするようになりました(マイARでも5件チェックして日記をつけると20ptになるので)。しかし、新型コロナで不要不急の外出自粛を求められた2020年2月に、これを諦めることにしました。

・「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ」(秩父
秩父は今でも、「あの花」をメインとした企画をときどき開催しています。自宅からはちょっと遠いのですが、これらは頑張ってコンプリートしました。秩父三部作のもうひとつ「空の青さを知る人よ」は実装されませんでした。

・「ノラガミ」(東京、島根)
東京のスポットはチェックしていたのですが、島根は遠く、ずっと放置していました。しかし、タムラコータロー監督の「ジョゼと虎と魚たち」が良作だったので、思い立って島根方面への旅行を企画して、コンプリートしました。境港から自転車で美保神社まで行ったり、近くに駅のない黄泉比良坂に歩いて行きました。「舞台めぐり」もなくなったので、もう行くことはないでしょう。

・「ブルーサーマル」(熊谷)
これは行きませんでした。でも(当時は)アニメ化されていないのにスポットが設定されていて、どんな作品だろうと思っていた作品です。スポットのシーンも白黒のマンガのコマだけのようでした。そして、ようやく昨年、劇場アニメ化されました。基本的には良作だったと思います。「舞台めぐり」は変わらなかったようですが。

■日記のアーカイブ

色々試しましたが、結局、日記をブラウザで保存するのが一番のようです。日記にしていないものは含まれなくなりますが。なお、ところどころ「買い物」が入っているのは「めぐりポイント」稼ぎです。(これでも全部ではありません)

舞台めぐりの記録