福井・高岡、「君の膵臓をたべたい」聖地めぐり

やるべき仕事はあるのだけれど、まとめて書いておかないと気持ちが落ち着かない:-) 要するに「君の膵臓をたべたい」の聖地めぐりをしていたら、牛嶋監督とLynnさんに遭遇した、という話;-)
※以下、「君の膵臓をたべたい」のネタバレが含まれます(原作、アニメ映画、実写映画、コミック)。

■「君の膵臓をたべたい」について

もともと、そういうタイトルの小説が話題になっていたのは知っていた程度で、スプラッターな印象しかなく、興味はなかった。おそらくアニメ映画のキャンペーンでKindleでコミック版の序盤が無料公開されていたので読んでみた。「全然スプラッターじゃなかった」w こういうのを“空から女の子が降ってくる”系というらしい。たしかに、“冴えない(ことになっている)男のもとに突然可愛い女の子がやってきて人生が変わる”みたいな話はよくあるが、けっこう好みのストーリーなんじゃないかと興味がわいた。

たしかに“空から女の子が降ってくる”感じの展開はファンタジーだし、終盤の演出は“やりすぎ”という声もわかる。でも、これはいいアニメだ。その後、テレビで放送された実写版を視聴し、コミカライズ版を読み、さらに原作も読んだ(老眼の私には文字を読むのは厳しいんだけどね)。どれも、原作からは改変されているのだけど、アニメが一番原作に忠実なのではないか。「最初にアニメ版を見た」ことを割り引いても、それこそloundrawさんのイラストも含めて、原作に近いと思う。とくに実写映画は、最後のエピソードが大人になってからという大きな改変がなされていて、せっかくの桜良の働きかけが青春時代に役に立っていないという“ナニソレ”的な印象しかなかった。実写版の興収は35億を超えたそうだが、みんな、そんなに浜辺美波が見たいのか(見たいのかもしれん^_^;)。アニメ版がそこまで話題にならなかったのは、これをテレビで放送してしまったからじゃないかという気がしてならない。

かくして、「キミスイ」は私にとっての2018年のベストアニメ映画となった。ちなみに、映画全体では「カメラを止めるな!」がベストね:-)

■聖地・高岡

原作では具体的な名称は出てこないけれどアニメは高岡が舞台になっている。ただし、高岡に「スイーツパラダイス」はなく、原作の表紙や桜並木は福井の足羽川沿いである(←最近知った)。聖地めぐりするなら花火大会のある夏かと思っていたが、昨年の年末まで高岡でキャンペーンをやっているという。なお、「舞台めぐり」というアプリで知っていたのだが高岡は「true tears」という作品の舞台でもあり、こちらも事前に視聴して気に入っていた。キミスイ向けのアプリが使えるのが12月30日までというので、なんとか都合をつけて12月に高岡めぐりをした。

blu-ray/DVDリリースイベント

次は花火の頃に行けたらいいかな、くらいに思っていたが、富山で牛嶋監督と主演のLynnさんが登壇する上映イベントが4月13日催されると告知されたのが3月28日の夜。その時期は大阪出張の真っただ中だが、土曜日の午後なので、行こうと思えば行ける! この頃なら足羽川の桜もまだ残っているはず。ついでに、「氷菓」の舞台である高山では4月14~15日に高山祭が催されるので日曜日にそちらをまわってくるという手もある。

無料のイベントで抽選だが、地方だから倍率は高くならないかもしれない。ヨシ、と思って色々計画を立てつつ申し込んだ。そして、運命の1週間後、なんの通知も来なかった(通知があるのは当選者だけ)。

ここは諦めるところかもしれないが、この時期を逃したら足羽川で桜を眺められるのは来年になる。そう思うと、せっかく立てた計画を見送ってしまうのも惜しい気がした。イベントには参加できないけど、大阪からなら福井も経由しやすいし、せっかくサクラ(桜良)の時期じゃないかと思い直して、聖地めぐりすることにした。

■福井・足羽川

前振りが長くなった。(←前振りだったのか^_^;)
福井から高岡をまわっているようすは逐一ツイートしていたが、色々補足する。

出張先の大阪から福井に向かった金曜日。足羽川をまわるのは翌日のつもりだったから、この日は最悪終電でもいいだろうというくらいの気持ちで、駅で晩御飯を食べたりして、ゆっくりしていた。これが失敗だった。電車の中で調べていたら夜9時半まで足羽川沿いをライトアップしているらしかった。乗ってる特急が福井駅に到着するのは9時17分。現地までの時間を考えると間に合いそうになかった。(そして数分遅れて到着した) あと1~2分くらいで一本前の特急には乗れたのですごく悔しかった。

もっとも翌朝はいい天気で、桜並木は綺麗だった。桜が満開だったのは前週で、イベントでは「キミスイ」のクリアファイルを配っていたらしいけれど、そのあたりの時期が合わないのはどうしようもない。桜並木を一通り歩いたら、福井から高岡に、とっとと移動。天気予報では日曜日の天気が悪そうだったので、聖地めぐりに向いているのは、この日だけなのだ。(なお、天気予報が微妙だったので高山祭はギリギリで見送った)

原作の表紙

足羽川の桜並木

よく登場する場面

■高岡

高岡では、まず万葉線で「キミスイ」記念乗車券を買い、少し先で降りて高岡古城公園を通りつつ、JRで雨晴海岸に向かおうと思っていた。ところが、記念乗車券は米島口という割と先の駅で渡すことになるという。(米島口に万葉線のオフィスがある) 前回はいきなりレトロ電車に乗って、その場で買うことができたのだが、他の車両には常備していないようだった。しかたがないので、そのまま米島口まで行き、記念乗車券を受け取り、そこで降りて「キミスイ」に登場する能町駅に行くことにした。(これも微妙な選択だった)

能町駅

この時、能町から雨晴方面への列車がすぐに来るようなら、そのまま乗りたいところだったが、ほぼ1時間に1本くらいしかないところにちょうど出たようだった。そこでふたたび万葉線に戻って越ノ潟に向かうことにした。万葉線は15分ごとに運行しているけれど、もう一本待てばレトロ電車であることが分かっていて、そのレトロ電車では「ぼく」がアナウンスしているのだけど(高岡駅→越ノ潟方面)、あえて一本早い電車にした。そうでないと終点の越ノ潟で、すぐに折り返さないといけなくなるからだ。越ノ潟→高岡駅方面のアナウンスは桜良(Lynnさん)で、年末に来たときはわずかしか聞けなかったので、最初から全部聞こうと思ったのだ。

越ノ潟でのわずかな待ち時間で新湊大橋に行ってみたが、立山連峰が素晴らしい雄姿を見せていた。この時期に、これほど綺麗に見えることは珍しいらしい。とはいえ15分後にはレトロ電車がやってくるので、即座に戻る。レトロ電車に乗り込むと、新湊大橋について桜良がアナウンスしていた。ちなみに越ノ潟までの車内アナウンスは「ガッテン!」の立川志の輔で、やたらと色々喋っていたのだが、桜良のアナウンスは越ノ潟を出るとホントに駅名をアナウンスするくらいで、あまり町の案内などはしてくれない……。

新湊大橋から見た立山連峰

レトロ電車

レトロ電車の車内

■牛嶋監督とLynnさんに遭遇

……そうツイートしようと思っていたとき、たしか新能町で、ニコニコしながらレトロ電車の写真を撮っている男の人が見えました。「鉄ちゃんかな?」と思うその人や何人かの人に続いて、すごく綺麗な女の人が乗り込んできた……紛うことなきLynnさん!! ということは、この人が牛嶋監督で、イベント前に聖地めぐりしてるんだ!!と気づきました。(監督の顔くらい、パンフレットとか特典映像で覚えておけよと思うかもしれませんが、全然気づきませんでした^_^;;;)

当然、写真はダメだけれど、普通に乗車しているので目が離せない。ジロジロ睨んでる怪しいオッサンに見えたかもしれないが、きっと見られることには慣れているでしょう:-) 電車の音が大きいけれど、それなりに会話が聞こえるくらいの距離。桜良のアナウンスに最初に気付いたのは牛嶋監督「あ、これって!」とスピーカーを指さし、Lynnさん「あ、これ、私かも」「なんだか馴染んでる」 いや、ほんと馴染んでて、普通のアナウンスみたいなんですよ。往路の「ぼく」の方が、男性の声なのでまだ“特別感”があるといいますか。

案内している万葉線の人に発音(イントネーション)が大丈夫だったか尋ねて「ほぼ大丈夫でしたよ」「“ほぼ”ってことは、どこが違ってました?」「六渡寺(ろくどうじ)がちょっと」「収録の時は終わってから富山の方がいらっしゃったんですよね」という会話もありました。

Lynnさんは、ときどき車内に掲示されているキミスイの場面を背景にスマホで写真を撮ったりしていた。すぐそばで。富山のイベントに参加する人たちも、ついでにこちらを巡っていれば会えたかもしれないのに:-)、その場にいたキミスイファンは私だけみたいでした。終点・高岡駅に到着する前に、牛嶋監督にお声をかけて作品がとてもよかったことをお伝えしました。でも、早朝に足羽川の桜並木を通ったこと、鑑賞用と布教用のBDを買ったことなどは話し損ねました。こういうときに、どのあたりで受ける印象が「熱心なファン」か「ストーカー」で分かれるかは悩みます。とはいえ、記念乗車券にサインをもらえないかと聞いてみればよかった、と後から思いました^_^;

20分ほどして高岡駅に到着。停車中に写真撮影などされていましたが、一行はそこで引き上げていくので(さすがについていくわけにもいかないので)、今度は「ぼく」のアナウンスを聞くため、と言い訳して私はふたたびレトロ電車に乗り込みました。
です・ます調はここまで。(←おい)

レトロ電車とキミスイ記念乗車券

高岡古城公園から雨晴海岸

2駅で下りて、高松大仏を通り、「true tears」の聖地である高岡古城公園や「たこ焼きHachi Hachi」などを通り、(JRは時間が合わないので)バスで雨晴海岸へ。前回は、雨晴駅から西側に歩いてしまったんだけど、バス停が少し東側にあり、そこには道の駅もあった。氷見まで歩いたのも懐かしい(というほどでもない4カ月前)けれど、それは見送り。

高岡古城公園

雨晴海岸

JRで高岡に戻って、ふたたびレトロ電車に乗車。今度は、川の駅 新湊まで。ちょっととんぼ返りだったけど、最後にレトロ電車で吉久という古い町並みの場所で下車。この日は、ここまで。

牛嶋監督とLynnさんをお見かけした20分が何より至福の一日だった。朝、米島口まで行かなくても記念乗車券が買えたなら、そのまま雨晴海岸で牛島監督やLynnさんをお見かけすることはできたかもしれないが、一緒に戻っていくわけにもいかないだろうし(さすがにストーカーっぽい)、“予定がずれて”レトロ電車で遭遇できたことは幸運以外の何ものでもない。

■おまけ

翌日は大雨にはならなかったけれど、報道によれば高山祭の1日目は規模が縮小され、夜の催しは中止になったようだ。まあ、どうせ夜は大阪に戻らねばならず見る予定もなかったけれど。

幸運の余韻にひたりつつ帰り道に金沢・兼六園に立ち寄ったけれど、富山の新聞にキミスイイベントのことが掲載されていると知り、ふたたび富山側の石動駅まで戻ってコンビニで新聞を購入。でも、ひとつは金沢の新聞だった^_^;

高岡に行くまでは、日曜日の天気もよくなさそうだし「ここでイベントに当たらないなんて……」とふてくされつつ天気次第ではネットカフェでマンガ読んで時間潰そうかなと思っていたくらいだけれど、今回の幸運ですべてが吹っ飛んだ。当分の運を使い果たしたんじゃなければいいけれどね:-)