青春18きっぷ「琴浦さん×琴浦町イベント参加〜鳥取・京都・名古屋」旅行記(2日目)

船上山へ

イベントは午後3:15開演、開場は2:30である。せっかくだから、イベントの前に、前回まわれなかったところをまわっておこうと思って予定を立てていた。前回は赤碕駅から浦安駅まで“聖地”を通りながら、とにかく歩きっぱなしだった。毎日17,000歩くらい歩いていたのだが、今回は歩かずに済むところは歩かずに済まそうと思っていたところ、町営バスであちこちまわれると知り、バスの時刻表を調べておいた。ただし、あまり本数がない。下手に乗り遅れると、1時間、2時間と待たされることになる。予定としては、まずバスで「船上山」に行き、また赤碕駅に戻って、バスを乗り換えて「物産館ことうら」まで行き、前回食べ損ねた牛骨ラーメンと飛魚かつカレーを食べ、歩いて八橋駅まで行き、そこから電車で浦安駅まで行き、少し早いがイベント会場までのシャトルバスを待つというものだった。ちなみに、イベント会場から、さらにバスで「伯耆の大シイ」という場所に行けることも調べておいた。

イベント参加証となるハガキ

マクドナルドのビッグブレックファスト(時間がなくて3分で完食した)

まずは船上山に行く。アニメ「琴浦さん」のCMで使われていた場所である。もともと琴浦町と「琴浦さん」は名前以外のつながりはほとんどない。原作者のえのきづ氏も「地図で適当に選んだ」だけだ。アニメを制作するにあたり、CMで琴浦町の名所が使われるようになり、ヒロイン琴浦さんの実家が琴浦町と設定され、浦安駅(ディズニーランドに行く千葉県の浦安駅ではない)が「琴浦駅」としてアニメに登場した、という程度である。ここをゆっくりまわるために鳥取から朝5:26の始発電車に乗って、赤碕まで行った(到着は6:47)。

鳥取から赤碕までの普通切符

「リュックの方が便利だよ」と言われて買ったら、「その色はない」と一蹴された赤いリュック

赤碕に到着

町営バスが赤碕駅を出発するのは6:55だが、時間が過ぎてもバスが見えない。実はイベント参加者が同じことを考えて込んでいるのかと思ったが、少し遅れて来たバスには誰も乗っていなかった。それどころか、終点の「少年自然の家」まで誰一人乗り込んでこなかった。少し天気がぐずついていたとはいえ、休日に誰にも利用されないとは驚き。到着したのが7:20頃で、赤碕駅に戻るバスが出発するのは10:00だから2時間半以上ある。少年自然の家で、ハイキングコースの地図をもらい出発。ちなみに、ネットで船上山のパンフレットも見つけたが、印刷していかなかった。今思うと、これを印刷して持っていった方がよかったかもしれない。

赤碕駅前のバス停

町営バスは全区間100円で運行中

奥に進むと電波が入らない

終点にある「少年自然の家

「少年自然の家」の人には、すぐに右側の道から山を登るコースを教えてもらったが、ハイキングコースは左側からまわるのが順路のように書かれていたので、そちらからまわることにした。「琴浦さん」の CM に出てきたダムも(この時点までダムとは知らなかったが)、そちら側から撮影した感じだった。ハイキングコースは比較的平易な道を案内しているようで、わりと簡単にまわれそうだった。途中、雨に降られたりして折りたたみ傘が役に立ったりしたが、それも短い時間だけで、軽い山歩きを楽しんでいた。

琴浦さん」のCMで使われた船上山ダム

ハイキングコース(ノルディック・ウォークコース)

鱒返滝橋

ということは、これが鱒返滝?

ハイキングコースから見た船上山屏風岩

雄滝橋

船上山展望駐車場

展望駐車場からの眺め

途中頂上までの登山道に入る場所があり、少し上りかけたが10分ほどしたところで「頂上まで25分」という看板を見つけて諦めた。登って下りるだけで50分かけていたら、バスの時間ギリギリになってしまいそうだ。そこからすぐに戻ることにした。

船上山登山口

ここで地図の写真を撮っていたが、よく見ていなかった

屏風岩もわりと近い

船上山頂上まで25分という案内(ここで退却)

登山口まで戻って、ふたたび“順路”を歩き始めた。しかし、そろそろ一周する頃かと思っても、まったく終着点が見えない。それどころかもらった地図にない道が見えていた。「やばい道を間違えたのか」と思って誰かに聞きたいところだったが、まわりには誰もいない。しばらく歩いて、ようやく切った木を運んでいるらしい人を見つけて「少年自然の家」の方向を尋ねてみたところ、全然違う方向だとわかった。先のパンフレットの右上に「至中村」と書いてある道に入りこんでいた。下り坂をだいぶ歩いてきたので、これを上って戻らないといけないと思うと泣けてきた。さっき登山口に入って上り下りした20分も恨めしかった。このせいで疲れていて、“足がつる”という状況だった。そして、上り坂を戻って本来下りる道を見つけた頃(←これも違う道だったようだが)、すでにバスの発車時刻だ。ああ、これで帰りのバスに乗れない。次のバスまで2時間半以上もあるのだ。節約旅行らしく赤碕駅まで歩くか、ここは諦めてタクシーを使うかと考えながら、10分ほど急な下り道をたどってバス停に着いた。

看板には「中村 5km」と書かれているが、どんどんこの先を進んでしまった

道を間違えたときの損害補償はないものか

間違っているとも知らずに、どんどん突き進んでいる頃(9:15)

間違ったと分かって、さきほどの登山口まで戻ってきたの(9:55)

正しい下り口(と思っていたが、これも違っていたようだ。すごい急こう配だった)

倒木が行く手を阻む

もう足がガクガクしている。これは伝家の宝刀“タクシー”一択だと思って、ふたたび「自然少年の家」の人にタクシー会社の電話番号を聞き、配車のために電話してみた。「そこだと配車までに1時間以上かかりますねぇ」 なんだと! それじゃあ赤碕駅のバスに間に合わない。いや、直接「物産館ことうら」に行けばいいのか。でも、1時間“以上”ってどれくらいなんだ? 電話は、いかにも「そんなところまで配車したくない」感ありありの口調だった。あまり待たされると、物産館に立ち寄る時間すらなくなってしまうのではないか。「これはもう駅まで歩くかな」と口にすると、「ここから12kmくらいあります」と言われた。「今、自分が」12kmをどれくらいで歩けるか、とか正しく考えられなかった。「2時間くらいかければ到着するかな、ひたすらタクシーやバスを待つよりよいかも」とか考えてしまった。アホだ。

選択ミス

そして歩き始めた。しばらく歩いて、歩き始めたことをとても後悔した。歩けなくなったのだ。それまで上り坂や登山道を含む山道を3時間くらい歩き続けていたのだ。しかも、最後の1時間くらいはだいぶハードに歩いていた。「足が言うことを聞かない」、「足が棒になる」、そういう表現がぴったりな状況だった。なにしろ膝が曲げられない、つま先をまっすぐ前に向けることすら難しい、そういう状況に陥って、ガードレールに寄りかかって休息せざるを得なかった(座り込むと立てなくなりそうだった)。それでも少し休むと歩けるようになるので、前に進んだ。スマホで地図を見ると、着実に進んではいるものの、予定していたバスにも電車に乗れそうにはなかった。物産館は諦めるしかないかと思って、もう一度地図を見ながら、ふと、電車に乗る必要があるわけじゃないことに気付いた。実のところ、前回撮り損ねた「昼間の浦安駅」を撮影したいとは思っていたので、まったく必要がないわけじゃなかったが。物産館を諦めるなら、目的地は今日のイベント会場(カウベルホール)である。どうせ歩くなら、直接会場まで歩けばいいじゃないか。マップを見ると今いる場所からの直線距離は、赤碕駅も物産館もカウベルホールも、たいして違わない。バカだった。

歩き始めた頃、道路には「ツール・ド・大山」の表記(10:30頃)

だいぶ後悔している頃(11:00頃)

赤碕駅は海岸近くにあるので、そのまま歩いてもゆるやかな下り坂だっただろう。だが、カウベルホールはもっと山側にある。実際、そこに向かう道はなだらかだが上り坂だった。きつかった。すぐにきついことはわかったが、もはや戻ることもできない場所だった。何より辛かったのは飲み物がなくなったことだ。足がつるのは水分不足、とどこかで聞いた気がしたので、ペットボトルのお茶はあっという間に飲み干していた。だが、山の中なのでどこまでいっても自動販売機がない。電線すらなかったので、どこで飲み物が補充できるかわからなかった。雨があがったのはよかったが、天気がよくなり、かえって脱水症状を起こすんじゃないかという不安にかられていた。この頃には、もう写真を撮ったり、ツイートしたりしなくなっていた。余裕がなかったというより、今は目的地に達することこそが最優先で、それ以外に労力を費やすのはやめようと決めた。

自然少年の家を出て1時間半くらい過ぎた頃だったと思うが、「これはヒッチハイクしないといけないかな」と考えるようになっていた。それこそ道端にでも倒れ込めば、誰かが拾ってくれるかもしれないが(行き倒れかよ)、そこまで朦朧としていたわけではない。というか、それなら救急車呼んで、イベント参加どころではなくなるだろう。マップを見ても、あと6kmくらいある。歩くことができさえすれば、まだイベントには間に合う(この時点で、開演までは3時間くらいあった)。だが、水分が補給できていない。気力を振り絞っても、脱水症状に陥ってしまったら、やはりイベントどころではなくなる。

それでも腕を上げてクルマを呼び止めるのはためらわれた。そもそも、なかなかクルマが通らない道だ。幹線道路でもないところでヒッチハイクするようなあやしいオジサンを乗せたいとも思わないだろう、とか考えてしまう。しかし、そうやってクルマを見送ると後悔する。今見送った次に、いつクルマが通ってくれるかわからない。割と上り坂を上り切ったところだろうか。これでしばらくは平坦な道を歩けそうだと思った反面、残り1時間近くあるくことを思うと、体調がもちそうな気がしなかった。ヨシ、と覚悟を決めて、次にクルマが来たら腕をあげることにした。歩きながらクルマが来るのを待ったが、長かった。そしてクルマが来た。腕を上げて指を立てる。

すーっと通り過ぎていった。そりゃそうだ。タクシーじゃないんだから、そんなに簡単に停まってくれるものか。何台チャレンジしたら乗せてくれると決まっているわけではない。ああ、こんなことなら今まで見送ってきたクルマが惜しい。めったに通らないのに、そのチャンスを見送ってきたのだ。そして、また、しばらくしてクルマが来た。また腕を上げる。今度は停まってくれた。歩く姿に悲壮感があったのかどうかわからないが、親切な若いお兄さんだった。座席に蛍光灯が何個もあったので、電気屋さんかもしれない。ついででよいので、カウベルホールの近くまで乗せてくださいと伝えたところ、そこまで乗せて行ってくれた。ああ、助かった。これでイベントに参加できる。心からの感謝を述べてクルマを降りた。

イベント会場到着直後(12:20頃)

イベント会場にて

結局のところ開場時間(2:30)より2時間も早くイベント会場に到着した。「最後尾はこちらです」というスタッフを遮って、「飲み物を買いたいので」と入り口近くに見えた自動販売機に突き進んでいった。500mlのペットボトルを3本買って、ようやく列に並んだ。まだ開場まで2時間以上ある。どこまで回復できるかわからないけれど、しばらく休めるのは間違いない。座って壁にもたれかかり、足は延ばしているのだか曲げているのだか、普通に座って休むという感じですらなかった。3本のペットボトルはあっという間に空になり、さらに買い足した2本のペットボトルもすぐに空になった。そうこうしているうちに、シャトルバス組が到着した。物産館も浦安駅もまわれなかったが、なんといっても今日のメイン、いや今回の旅のメインは、このイベントである。早く着けたというだけで満足しよう。

いきなり飲み干した3本のペットボトル(この後、さらに2本飲んだ)

さて、もともと帰りのバスに乗り遅れなければ赤碕駅から物産館ことうらまで行って、「琴浦さん」のCMで紹介されていた「飛魚かつカレー」と「牛骨ラーメン」を昼食として食べるつもりだった。だが、こんなありさまで食べる余裕などなかった。飲み物は飲んでもお腹はすいていた。電車で食べるつもりで持ってきた、つまみのナッツを食べて空腹をしのいでいた。そこに「牛骨ラーメン」を売りに来た。列に並んでいるところに配達してくれるらしい。「物産館ことうら」で食べるつもりだったものが食べられる。これは注文するしかない。しかも500円という良心的な値段だった。

牛骨ラーメン

ラーメンがやってきた。それを食べているうちに、「あご(飛魚)かつカレー」とあごかつカレーバーガーも売りに来た。やったぜ! 「物産館ことうら」は前回訪れていて、ただ時間が合わなくて(「うまいもんや」は午後3時閉店)、食べられなかっただけだ。それが、ここで全部食べられるなんて。ペットボトル5本を飲み干した後で、ちょっときつい感じはあったが、これはもう全部食べるしかない。カレーとバーガーも注文して食べた。

あごかつカレーバーガーとあごカツカレー(※あご=飛魚)

行列で注文をとるオジサン

次々とシャトルバスが到着

だんだん人が増えてきたが、今回に限っては待ち時間が長いのは助かった。完全に回復するのは無理にせよ、食事しながら2時間休息できた。そして2時半に開場。全席自由席なので、まずは席を確保する。前から2列目の左側。まあまあのポジションだ。そのあとは物販コーナーへ。限定販売品のうち「琴浦さん名刺」は、前回の訪問で買っている(名前を印刷して持ってきていた)ので、ポロシャツとレプリカナンバープレートを2つずつ購入。ここまで来てケチったりする方がもったいないよね。レプリカナンバーは、売り切れていたものだったが、このイベントのために復刻したらしい。後で気付いたが「琴浦町10周年記念」のマークが追加されていた。あとは、「琴浦さん」3巻(生徒手帳付)と「アニメーションファンブック」。生徒手帳付のものはamazonで売り切れていたと思ったけど、今見たら復活してるようだ^_^;

開場直後

琴浦町の広報誌に掲載された琴浦さん四コマ漫画

せっかく来たんだから並びますとも

萌えるごみ箱

琴浦さんの名刺(通販でも売ってます)

レプリカのナンバープレート(復刻版)は人気

イベントのポスター(後で知ったけど持ち帰ってる人がいました)

等身大(より少し小さい?)琴浦さん

ここで作っていた牛骨ラーメン

そこかしこに名場面が

限定版書籍は、ほぼ売り切れ

琴浦さんイベント

3時15分、予定通りイベント開始。400人くらい入る会場で、空席は後ろの方だけだったと思う。無料のイベントで、交通の便が悪く、申込みだけで来ない人も多いんじゃないかと思っていたが(下手をすれば私もそうなっていたが)、そんなことはなかった。北は岩手、南は沖縄から申込みがあったそうだ(会場にいたかどうかは未確認)。挙手で確認していたが、やはり鳥取の人は多かったし、琴浦町の人も少しいた。というより、思ったより少なかった。琴浦町10周年記念なのだし、けっこう地元の人で埋まるんじゃないかと思っていたが、「琴浦さん」が、この地では放送されていなかったという影響があるのだろうか(BSでの放送もなく、ニコニコ動画などのネット配信で見るしかなかった)。まあ、東京から来る人なんてそんなにいないだろう、と思っていた私が甘かったです、はい。もちろん、金元さんの魅力という点は大いにありそう。

MCはフライングドッグの人で、最初は琴浦さん役の金元寿子さんと、真鍋君役の福島潤さんのトークショー。金元さんが向かって左、福島さんが向かって右という立ち位置で収録の思い出とかを語っていたが、終始、福島さんが金元さんに「せまってくる」ため、金元さんがどんどん左側に寄ってきて、左側に座っていた私はいい思いをしました:-)

収録のことをよく覚えていたのは福島さんの方で、誰それがこの順番で立って収録していたとか、そりゃまあ、ぶっちゃけ主役級を次々とこなしている金元さんに比べれば、長年脇役が続いてから、これが初主演となるわけで、思い出深かろうとは思う。その後の「弱虫ペダル」の鳴子くんもいい感じで、今後も活躍の場が広がるといいですね:-) さらに(誰も突っ込まなかったし、私も気付いていなかったが)福島さんは、第6話の旅行回に出てくる真鍋君のコスプレ(わざわざ服を探したのかな)で、胸に琴浦さんのぬいぐるみを付けているというくらい、入れ込み具合が半端なかった。

少し意外だったのは、2人とも琴浦町がはじめてだったということ。「あれ、イベントやってなかったけ」と思ったけど、今調べたら、金元さんが登場するイベントは東京・大阪だけで、琴浦町でのイベントは「琴浦さん」展があっただけだった。そういうわけで、MCの人が「琴浦町の印象」を聞いても、「クルマから見えた海がきれいそう」とか「緑が多そう」とか、あたりさわりのないコメントしかできないのもしかたないよね。もうちょっと打ち合わせしなよ(時間ないか)。せっかく来たのに(我々と違って)名所めぐりするような暇なかったんだろうなあ。ちなみに、福島さんは、ご自身を「お笑い担当」と認識されているのか、ところどころ「こちらに来るクルマの中で考えてた」というギャグをちりばめられて、笑い(または失笑)を取っていた。

多忙で出席できないという太田雅彦監督からもメッセージが届いていて、アフレコの収録現場が楽しかったことや、(トークショーの後に上映する)1話と12話は「自分がやりたいと思っていたことをやり切った感じ」という話が紹介された。原作のマンガもアニメのBDも揃えたけれど、やはりアニメが傑出であり、とくに大きな話題にもなった1話の前半が素晴らしい。脚本のあおしまたかしさんがうまいのかもしれないが、とくに幼稚園時代からの友達に琴浦さんの“能力”がばれて離れていく短いシーンは、そこから深い物語を想像できてしまう、「琴浦さん」屈指の名シーンだと思う(友人の一人の声が赤崎千夏さんというのも個人的にポイントの高いところ)。終盤の暴力事件が絡むところは、少し無理やり感もあったけれど、最後はうまく締めくくられていた。とりあえず、4話(2巻)まではおススメです。

途中から、原作者のえのきづさんがトークショーに加わった。えのきづさんが琴浦町を訪問するのは3回目だそうで、アニメ化の前に訪問したことはなかったはず、と思っていたけれど、検索したら2012年8月21日に鳥取県庁を訪問されていたという情報があった(アニメは2013年1〜3月)。鳥取まで行っていたら、琴浦町にも行っているだろう。「琴浦さん」展(2013年7月13日〜)でも、琴浦町トークショーなどをやっているようなので、それ以来、ということだろうか。「これから年に1度は来ることにしようかな」とおっしゃっていた。

琴浦”という名前は「地図を見ていて適当に選んだ名前」で、えのきづさんにとってもこんな展開になるとは予想されていなかっただろう。アニメ化で真鍋君を福島さんが演じたことで、福島さんの演技が原作の真鍋君の性格付けにも影響したり、原作ではダークな性格付けもあった琴浦さんがアニメ化以降、ソフトな感じになっていったり、アニメが原作に影響を与えているという話をされていた。「すばらしい作品にしていただいて嬉しい」とのことで、このアニメ化なら、それも心からの言葉だろうと納得できる。

あと、琴浦さんがカタコトっぽくしゃべる感じの場面があるのだけど、最初アドリブだったものが(?)定着して、台本にもカタカナで台詞が書かれ、脇に「フィリピンパブ風」と注釈が入っていたそうだ。

トークショーに続いて1話と最終12話の上映会。何度も見ているので“感極まる”ということもなくなっているのだけど、やはり1話の秀逸さと、最終話の締めくくりはよい。1話は今でも無料配信している→ http://www.nicovideo.jp/watch/1357701227

上映会の後は、えのきづさんが琴浦町の広報誌のために描いた四コマ漫画を使った生アフレコ。そう、琴浦町の広報誌のために、琴浦さんのキャラを使った名所紹介のマンガが描かれていたのだ。その四コマ漫画を集約した小冊子は、今回のイベント参加のお土産にもなっている。アフレコといっても、「琴浦さん」に登場するESP研のメンバーは5人で、声優は金元さんと福島さんの2人しかいない。なので、一人二役などで声をあてることになるのだが、ここが運営のうまいところで、最初は琴浦さん=金元さん、真鍋君=福島さん、というパターンだったのが、たとえば室戸大智に金元さん、御舟百合子に福島さん(わざと男女逆)を当てたり、琴浦さん=福島さん、真鍋君=金元さんというパターンにしたり、遊び心満載で、会場も笑いにつつまれていた。まさに「めったに見られないものを見た」感じだ。おそらく琴浦町は開催費用を出しただけで、企画はフライングドッグに任せたのではないか。派手な演出はなかったけれど、そういうところで楽しめるイベントになっていた。ああ、でもプロジェクターが投影する画面にイチイチ入力切替画面が出ていたのは、ちょっと失笑をかっていた。切替器を用意してなかったんだね。

続いて、「アニメCM場所当てクイズ」。琴浦さんのCMには、琴浦町の名所が使われているので、それを当てるというものだった。三択問題で、答えるのは金元さんと福島さん。なんだ、観客に振られるわけじゃなかったのか。全部覚えていったのに、と思ったが、考えてみれば、この状況で会場に振るわけにはいかないだろう。三択なので素でまじめに答える金元さんと、お笑い担当として、明らかに間違った選択肢を選ぶ福島さんという構図が続いた。それぞれの問題の後で、琴浦町の観光係の人が問題に使われた名所の解説をされていた。ちなみに、琴浦町の人が登場したのはここだけ。「琴浦町10周年」というからには、どこかで町長の挨拶とか入るのかと思ったけれど、最後までそういうことはなく、ほんとうに普通のアニメイベントだった。

最後に、「琴浦さん」の誕生日と琴浦町10周年」を記念した、特製バースデーケーキが出てきたけれど、その場で食べるということもなく(あとで出演者+スタッフで召し上がるのでしょう)、その後は抽選会。サイン入りポスターとか色紙とかアフレコ台本とかあったけど、こういうのは他の人に当たるよね、うん。締めくくりでえのきづさんを含めた全員のコメント。福島さんが、ご自身にとって初主演作で、自分の方向性を決めるような作品になった、出会えてよかった、と話をされていたのが印象的だった。10月から「弱虫ペダル」の続編も始まるし、頑張ってください。

琴浦町10周年」を記念したイベントなのに、琴浦町の宣伝が控えめな上に琴浦町の参加者も少なく「いいのかな」と思う面もあったけれど、琴浦町の町外向け広報活動としては、これでいいのだろうと思うことにする。私も、いつかまた訪れようと思う。ヒッチハイクで乗せてくれたお兄さんのためにも。深夜アニメに凝り始めて3年、こういうアニメのイベントに参加するのは初めてだったけれど、ホントにいいアニメイベントだった。歌の披露とか新作発表はない、やや地味かもしれないけど、楽しい時間だった。今までも、別に「イベントには興味ない」と思っていたわけでも、「楽しそうに見えない」と思っていたわけでもない。それどころか、参加したらきっと楽しいだろうなと思っていたわけで、これからイベント参加に積極的になりそうな自分が怖いよ。

ちなみに、この日来てたTシャツは「帰宅部活動記録」の「SKB」Tシャツです。次に何か参加するとしたら、琴浦さんポロシャツを着ていこう(半袖なので、早めに参加しないと寒そうな気はするが)。

鳥取

シャトルバスに乗って浦安駅に戻った。ほんとうは、ここから町営バスに乗ってさらに奥に行き、やはりCMで使われていた「伯耆の大シイ」を見に行くつもりだったのだが諦めた。それを見に行っていると「昼間の浦安駅」を撮影できなくなるからだ(それに足も全回復していたわけではなかった)。浦安駅に戻るシャトルバスは、琴浦さんがプリントされたもので、3月に訪問したときに外から撮影したものだった。そのときは、まさか、このバスに乗る機会があるとは思わなかった。浦安駅を撮影したりしているとき、「1kmくらいのところに備蓄倉庫があるよ」という話をしていた参加者がいた。これは鳥取駅の電車を一本見送れば往復できるだろうなと思ったけれど、足の状態を考えて見送った。うん、きっとまた来よう。

イベント終了後の入り口付近

浦安駅に戻ったシャトルバス

今回は明るい浦安駅

その代り、浦安駅に戻る電車の中で、あちこち聖地巡礼したり、イベント参加したりしている人と会話をすることができた。なんでも仙台から来ているらしい。やはり、青春18きっぷを活用されていた。青春18きっぷと夜行バスを駆使して、毎週末どこかにでかけているくらいだそうだ。アニメの話がいっぱいできて、これはこれで楽しい時間だった。

鳥取駅に着いたら、近くのモスバーガーで夕食。もう、「どこか美味しそうなところ」を探す余裕はなかった。そして、昨日と同じネットカフェに早めにチェックイン(午後8時頃)。12時間プランでゆっくりすることにした。また自転車を借りて鳥取巡りをするつもりだったが、どうせ自転車が借りられるのは朝8時頃からだし、この状況じゃ自転車に乗れるかどうかも怪しかった。早めに寝ればよかったが、シャワーを浴びたり、ツイートしたり、せっかくネットカフェに入ったのでとマンガを借りて読んだりしていて1時頃まで起きていた。

夕食

2日目のネットカフェ

メモ

マクドナルド/ビッグブレックファースト=449円
鳥取→赤碕=1,140円
スマホの転送量制限解除=1,000円
ペットボトル=160円x5+110円x1+150円x3
あごかつカレー、牛骨ラーメン、あごカツバーガー=500円x3
琴浦さんグッズ=9,360円
・ポロシャツ=2000円x2
・レプリカナンバープレート=800円x2
琴浦さん3巻/限定版=1,260円
・アニメーションファンブック=2,500円
浦安→鳥取=970円
コンビニ飲み物(十六茶、おーいお茶)=280円
白バラ牛乳/白バラコーヒー=268円
モスバーガー/オニポテセット=710円
ミスタードーナツx3個=431円
ネットカフェ(12時間)=2,240円

歩数計=32,595歩

3日目へ続く。