「オッドタクシー」の魅力をネタバレせずに語る(のは難しい)

しばしば思うことですが、面白いと思う作品を見てもらいたいと思うときに、ネタバレせずにその魅力を語るのは難しいものです。それが“他の作品にはないユニークなもの”であればあるほど、そのユニークさは“見て感じてもらいたい”からです。こちらの記事には「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」というラジオ番組で「オッドタクシー」を勧めようとするのに、ネタバレに踏み込んで説明してしまっているという話が取り上げられています。(本作を未見の人は、リンク先を読まない方がよいです)

そのため、できるだけ内容に踏み込まないよう努力はしますが、先入観なしで楽しみたい人は、以下を読み進む前に本作を見てほしいです。Amazon Prime Videoで全話配信されています。DVDレンタルもあります。動物キャラという表現が合わないと思う人はいるかもしれません。しかし、できるなら4話「田中革命」までは見てほしいところです。このあたりが合う・合わないの判断基準になります。4話まで見ても魅力を感じないならしょうがないです。

もともと私は新作アニメを見るときには事前の情報収集をしない方なので(舞台挨拶などの機会があれば別)、最初に公式サイトを見たときには「動物キャラで芸人声優が多い」ことから「アフリカのサラリーマン」みたいなものかな、キービジュアルを見るとダークな路線を狙ってるのかな、主人公が(鬼滅の刃の)炭治郎なのはミーハーなキャスティングなのかな、これなら0話切り(1話も見ない)してもいいかな、というくらいの感覚でした。そして、その印象は1話で完全に覆りました

群像劇といいながら、主人公のまわりでしか話が進まないものもありますし、何人もの登場人物が同じ話しかしない、つまり別の人物がセリフを言っても問題ないというようなものもありますが、本作は善人から悪人まで多彩な人物が登場し、それぞれの特徴的な性格が見事に描写されています。声優にはお笑いの人がキャスティングされていたり、ところどころにお笑いネタが組み込まれているのですが、それがちゃんと面白いのもポイントが高いところです。

先のラジオの記事でも触れられていますが、伏線の回収もうまい。そもそも伏線というのは「伏線張りました」「伏線回収しました」がちゃんとしてるから面白い、というわけではありません。本作品が、どのように“うまい”のかは実際に見てもらうしかありませんが、ちょっとネタバレを覚悟しながら触れると、上記で私が“なんだかなー”と思っていた部分も、すべて回収されていきました。

さて、この「オッドタクシー」ですが、もともと予定になかったらしいblu-ray BOXの発売が企画されていて、申込数が増えるたびにオマケが増えるスタイルが採用されています。そして、最終ゴールが3000セットという中、今の注文数は2700セットまで増えているそうです。締め切りは今月末(9/30)で、あと3日を切りました。アマプラで視聴して、ぜひ、この素晴らしさを体験してください。なお、BSテレ東で再放送していて、9/29深夜が最終回の放送です。