青春18きっぷ「富山・金沢」旅行記(2日目)
朝食
朝食バイキングがはじまる6時半に間に合うよう目覚ましをかけていたにもかかわらず、夜中に寝付けなかったせいで、なかなか起きられず7時過ぎになってしまった。いや、今回は全体的に安くあげようと思っていたのでホテルの朝食を利用するつもりはなかったけれど、バイキング形式でますの寿司や氷見うどん、昆布巻きかまぼこなどが食べられるというので、つい手を出してしまった(1100円)。
8時半頃にホテルをチェックアウト。今回の宿泊は、当日に空きがあるときだけのプランであろう「当日限定プラン」で(その代り少しだけ安い)、もともとチェックアウトが9時だった。駅までの無料バスもあったが、ここは近くから観光場所を“制覇”しようと考えていたので、歩いて出かけることにした。頼りになったのが、観光案内所でもらった「ちょこたび富山市」というパンフレットである。富山市のサイトでも公開されている(PDF)。駅周辺から徒歩、あるいは交通機関などで気軽に行ける場所がわかりやすく案内されている。
朝食
おかわり
デザート
泊まったホテル
梅沢町寺院群
まず向かったのが南側の寺院群めぐり。興味があったのは、富山という地名の由来となった富山寺(とやまでら、ではなく、ふせんじと読むらしい)と本陽寺にある「古代の蓮」。とくに蓮に惹かれたのは、私の出身地がレンコンの産地だからだ。レンコン、つまり蓮根はハスの根であり、近所の田んぼで普通に作られていたものだ。そして、その実は子ども時代のおやつにもなっていた(けっこう美味いよ)。もちろん、この時期に蓮の花を見ることはできないが、これが二千年昔の蓮なのかと、これもまた感慨深い思いがあった。
島川あめ店
地名の由来らしい富山寺(ふせんじ)
来迎寺
本陽寺の古代の蓮
路面電車
商店街
寺院群から戻って商店街を通ってみたが、まだ10時前なのでほとんどの店が閉まっていた。決して“シャッター通り”というわけではない。今回は、とくに買い物したいものがあるわけではないので、そのまま素通り。まあ、そういうのは女性の役割だよね。
富山城
次に向かったのが富山城。中に入ると天守は「郷土資料館」という看板が掲げられていた。どうやら割と最近作られたものらしい。こういう資料館は入ってみても、たぶんすぐ忘れてしまうだろうと思い、入るのはやめた。外に出て少し歩くと「ノーベル街道モニュメント」というものがあった、彫刻の森が出張してきたのかと思ったが、そうではないようだ(当たり前だ)。日本でノーベル賞を受賞した12人のうち、4人が国道41号の富山〜高山までに“ゆかり”があるとのことで、この間のことをノーベル街道と呼んでいるらしい。ふーん。
市役所展望塔
観光ガイドを見ると市役所に展望塔があるらしいので、行ってみることにした。だがエレベーターに乗ろうとしてもボタンが反応しない。表示が「休止中」となっていた。「日曜日は休みなのか?」と思ったが、たんにオープン前というだけだった。2分ほど待ってエレベーターが動き出した。これはよかった。たまたま一緒にいた人が「今日はもやがかかってて、山が見えないかもね」と言っていたが、大丈夫だった。遠くの山も見える。市街も見える。駅も近い。前日の雪の兼六園もよかったが、この日は晴れてよかった。
富山駅の北側
実は今回、あまり使わないものを色々持ってきてしまい、荷物が重くなっていた。このまま後半を歩き回るのは大変そうなので、富山駅でいったんロッカーに預けることにした。カメラバッグを持ってこなかったのだが、デジカメもビデオカメラもコートのポケットに突っ込んですませた。あまり恰好のいいものではないけれど、背に腹は代えられない。
随分楽になったので、まず呉羽エリアに行くことを考えてみたが、どうやらバス停を探している間に出発してしまったらしい。これは1時間ごとにしか運行していないようなので、その時間で駅の北側に出てみることにした。観光ガイドによれば、徒歩圏に富岩運河環水公園があり、富山ライトレールでポートラムに乗れば富山港の方まで行けるとのことだった。残念ながらライトレールはちょうど出発したところだった。こちらは15分間隔で運行していたので、後回しにして、富岩運河環水公園に向かった。
信号待ちしてるポートラム(青信号になってから出発してくれれば間に合ったのに)
富岩運河環水公園
ここもなかなかいい場所だった。運河を整備した公園だそうで、奥には2つの展望塔がある。この2つの展望塔の間を糸電話で会話ができるらしい。ただし、この日はやっていなかった(どうせ一人旅だから相手がいないけれど)。
富岩運河環水公園
2つの展望塔と天文橋
スターバックス
展望塔からの眺め
反対側の眺め
パノラマ機能を使ってみた
富山ライトレール
そうこうしているうちにポートラムの出発時刻が近づいてきたので、やや小走りに富山駅の北口に戻る。ギリギリセーフ。11:30発のポートラムに乗った。実のところ最初のインテック前駅の方が近かったのだが、最初の駅から乗ってみたかったのだ。最初は路面電車なのかと思っていたが(駅前ではたしかに道路上の線路なのだが)、知らぬ間に専用の線路を走行していた。すれ違い以外は単線で、民家のすぐ近くを走っている。終点の岩瀬浜までは20分強。
富山港
岩瀬浜に到着後、岩瀬カナル会館で少しばかり土産物を物色。「水辺のプロムナード」と呼ばれる場所を通って富山港に向かった。ここにまた展望台があったので昇ってみた。ちなみに、富岩運河環水公園にはエレベーターがあったが、ここは階段しかない。
岩瀬浜に到着
岩瀬カナル会館
水辺のプロムナードから見た岩瀬運河
富山港展望台
展望台から見た富山港
岩瀬の町並みと山々
大町新川町通り
ここから大町新川町通りを歩く。観光ガイドの案内にあった「北前船廻船問屋 森家」に入ってみる。観覧料100円。“名物館長のガイド”を聞いていたが、かつてのオーナーが倉敷の大原美術館の人と聞いて驚いた。ちょうど昨年11月に仕事で岡山に出張したとき、倉敷近くのホテルに泊まったので、めずらしく「ついでの観光」を楽しんでいたのだ。大原美術館は前を通っただけで中には入らなかったが、その関係にちょっと驚かされた。
森家
棟方志功の版画(全部で4枚。通常飾られているのはレプリカ)
角に柱がなく上で吊っているらしい
隣は北陸銀行岩瀬支店
現存する最古の北日本新聞販売店だとか
帰京
東岩瀬からポートラムに乗ってふたたび富山駅へ。南口と北口は地下通路でつながっているのだが、さっきは「18きっぷ」を使ってホームを使って移動したので、今回は地下通路を行くことにした。南側は、ちょっとわかりにくい場所に出た(明らかに遠回りになってしまった)。駅では、特急が車両不具合で取りやめになったことをアナウンスしていた。そのせいで普通列車に大勢の乗客が乗り込んでくることになったのだが、ほとんど遅れることがなくてよかった。ベーカリーでパン類を買い、その他おやつなども買って、帰路につく準備。
富山を15:05に出発して、色々乗りついで帰るのだ。これが長い。9時間近くかかる。しかも途中の直江津から六日町の北越急行はJRではなく、「18きっぷ」が使えなかった。この間の運賃950円。これは路線情報を調べたときに気付かなかったのが悪い。ただ、ここを使わないと出発を2時間近く早める必要があったので、事前にわかっていてもこの経路を選んだだろう。
富山駅北に到着したポートラム
地下通路の広場にあるからくり時計
特急運行中止の案内
パンを買ったベーカリー
何のアニメかと思ったら北陸銀行(イラストはP.A.WORKS)
直江津行の普通電車
ほくほく線(越後湯沢行)で六日町まで
JRじゃなく「18きっぷ」は使えなかった(料金は950円)
六日町から水上までは上越線の普通列車
高崎行で新前橋まで
上野行で赤羽まで
かかった費用
今回かかった費用は、以下の通り(家族へのお土産を除く)。
青春18きっぷ(2日分)=4600円相当(11500円÷5×2)
ムーンライト信州=510円
金沢のバス移動=300円
兼六園=300円
宿泊(朝食バイキング込)=5990円
コインロッカー=300円
富山ライトレール=400円
森家=100円
ほくほく線=950円
ホテル以外の食費=3936円
計17386円
時間は限られていたが兼六園をまわった上に、富山でいろいろ観光できたことを思うと、かなり堪能できたと思う。後で調べてみたら同じホテルの宿泊プラン(朝食バイキング付)で22,000円というのがあった(当然、新幹線+特急)。往復で10時間は余分にかかっているだろうし、これだけ電車に乗り続けるというのは大変ではあるので、手放しでおススメだよとは言い難い。それでも、個人的には仕事での出張を除いて人生で初めての一人旅で、大変満足している。