去年に続いて破壊屋さんの「2022年日本のアニメ映画ベスト10」のためのリストです(2021年版)。
今年は去年にくらべて“期待”している作品は多かったのですが、結果としては全体的に低調でした(もちろん私見)。映画全体でのベストは、“アニメ映画”とは言えないアニメ関連映画「ハケンアニメ!」で、これは“どストライク”だったんですけどね。とくに「すずめの戸締まり」は面白くなかったわけじゃないのですが、「新海誠作品を3年待ってこれか」という気持ちです。もっと下位の作品でもパンフレットやグッズを買っているものは多いのですが、なんだか本作はパンフレットもグッズも買う気がしませんでした。気分次第で10位圏外にしてたかもしれないのですが、だったら他の作品がどうかというと……という感じです。
ヒットしたテレビ作品で劇場版を作るというのは定石となっていますが、だいたい“期待どおり”というところですね。「五等分の花嫁」は“期待以上”ではあったのですが、もともとの期待値が低かったので。トップの「夏へのトンネル、さよならの出口」はキービジュアルが気に入って前売券を4枚買ったほど(1枚は布教)、“けっこう期待”していた作品で、期待通りでした。結局7回見たんですが、「五等分の花嫁」は10回、「ゆるキャン△」は8回見たんですが、これは入場者特典のためです。“期待以上”だったのは、絶対にネタ作品の凡作だろうと思っていた「君を愛したひとりの僕へ」「僕が愛したすべての君へ」と駄作感しかなかった「カメの甲羅はあばら骨」で、期待値は相当低かったものです。どちらもオススメするか、っていうと悩むので、あまり高い位置にはしなかったのですが、チャレンジ精神は買おうと思いました。なお、「SLAM DUNK」は、まったく見るつもりはなかったのですが、ちょっと迷ってます。見たら更新します。
海外アニメは一つも見ませんでした。これも「AVATAR」を“実写映画”に分類していいのか、という話はあるんですが。
さて、ネタバレする前にランキング一覧のみ。
①夏へのトンネル、さよならの出口
②四畳半タイムマシンブルース
③すずめの戸締まり
④かぐや様は告らせたい -ファーストキッスは終わらない-
⑤映画 ゆるキャン△
⑥映画 五等分の花嫁
⑦劇場版 からかい上手の高木さん
⑧ブルーサーマル
⑨君を愛したひとりの僕へ
⑩僕が愛したすべての君へ
⑪かがみの孤城
⑫ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ
⑬私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ
⑭劇場版 ツルネ
⑮映画 バクテン!!
⑯劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略
⑰劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編]僕は君を愛してる
⑱カメの甲羅はあばら骨
⑲地球外少年少女 前編
⑳地球外少年少女 後編
㉑雨を告げる漂流団地
㉒機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
㉓鹿の王
㉔オッドタクシー イン・ザ・ウッズ
㉕犬王
㉖ぼくらのよあけ
㉗グッバイ、ドン・グリーズ!
㉘DEEMO
㉙バブル
㉚永遠の831
※2021年の劇場アニメ全作品のリストはこちら→ AnimeMovie2022.xlsx
※2023/1/28 すみません、一部(アニメに関連した)実写作品が含まれています。斜体にしました。
そして、【ネタバレ注意】の感想です。
①夏へのトンネル、さよならの出口
キービジュアルだけでムビチケを4枚買った作品。今年は微妙な作品ばかりで「ハズレだったらどうしよう」という不安はありましたし、はじめて鑑賞したときには説明不足を感じ、もう少しどうにかならないかと思っていましたが、それでも印象はよかったんですよね。これをトップにするとは自分でも意外ではあるんですが、むしろ他の作品に、もっと頑張ってほしかった。
感想とコメントは別に書いたのですが、基本的には「ボーイ・ミーツ・ガール万歳」という内容です。説明不足と感じた部分は、そして説明が足りていないのは原作からというわけではなく、映画にする際に削られたもののようです。映画化にあたって細部をきっちり決めておきましょう、みたいな話の方が多いと思っていたので、これは意外でした。制作(CLAP)の別作品(映画大好きポンポさん)に影響されたわけじゃないのでしょうが、上映時間が短い(83分)のも好印象。どうせ見ないし、しまい場所に困るので、最近はあまり円盤を買わないようにしてるのですが、これは買っちゃうと思います。応援したくなる作品。
②四畳半タイムマシンブルース
森見登美彦氏の「四畳半神話大系」のテレビシリーズがあり、そのシリーズ構成・脚本を担当した上田誠氏の舞台「サマータイムマシンブルース」とのコラボ作があり、それがアニメ化されたものです。もともとディズニープラスの独占配信を再編集したものが劇場版として上映されました。なので、アニメとしてのクオリティはテレビシリーズ並だけれど、面白さという意味でもテレビシリーズ並で、つまり面白い。こんなにくだらないループものがあっていいのか(←誉め言葉です、念のため)
③すずめの戸締まり
「天気の子」から3年。どんな面白い作品を作ってくれるのだろうという期待感を持ち過ぎたのかもしれません。つまらない作品と思っているわけじゃないですが、「3年待ってこれかぁ」というのが正直なところです。よく言われている震災をエンタメにしているというプロット、“あの新海誠監督”じゃなかったら、制作にダメ出し食らうんじゃないかなあ、というところとか、プロダクト・プレイスメントとか懐メロとか“リアル”に紐づけが多すぎてワクワクする気持ちがそがれました。「天気の子」は、なんだか新海節が戻ってきた感じ、と思って個人的には微妙だったんですが、本作は“約束された大ヒット作としてさまざまなコラボを組み込む新海監督の熟練技術”を見ているような感じでした。実際、47都道府県の地元企業とコラボとか、映画制作と並行して大がかりな仕込みが進められていた気がします。その分、ワクワクできなかったというところです。前売券を2枚買って、2回見てオシマイでした。初日の舞台挨拶は外れましたが、その他の企画は参加しようという気になりませんでした。劇場アニメによくある“特典商法”もバンバンやってました。普通なら“乗る”んですが。でも、決して面白くない、と思ってるわけじゃないです。
④かぐや様は告らせたい -ファーストキッスは終わらない-
3期まで続いたテレビシリーズの、おそらくは最後の続編で、テレビ放送前の特別上映。原作コミックも最終巻が発売されたばかりです。ノリがテレビシリーズのままですが、相変わらず演出がぶっ飛んでて面白い。本作の面白さは原作コミックにあり、そちらを読み込んでいるので、ある意味“新鮮味”が感じられないという面はあるのですが、3期がキレイに終わったので、続きをアニメ化するとは思いませんでした。「成就した恋ほど語るに値しないものはない」(©四畳半神話大系) 原作コミックは、もう少し続きはあるのですが、さすがにアニメ化しないんじゃないかなあ。というか、アニメ化するならあのあたりはカットかな、と思っていたところまで丁寧に拾われていたんですが(声優さんに何言わせるんだ、というのはさておき)、その割に最後のシーンで色々まとめられちゃっていました。これは幸せなアニメ化。
⑤映画ゆるキャン△
人気テレビアニメで高校生だった登場人物たちが大人になった世界で作られた劇場アニメ。1期のときのイベントで、ショートアニメと2期と劇場アニメの発表を見て歓喜した者としては待ち望んでいたものでもあります。本作が原作コミックの内容に踏み込まず、オリジナル作品としてエピソードを独立させたという発想自体はよいと思うし、それを前提にしたストーリー作りにもそつがありません。その上、リンちゃんの勤務先が名古屋だし、なでしこの勤務先は昭島だし、どちらも身近なので、初見では序盤からウキウキしてました(予告編などの情報収集はほとんどしていなかった)。とはいえ、もともと「ゆるキャン△」の魅力は主人公たちが“仲良し5人組”じゃないまま話が展開していくところにあると感じていたので、本作のように団結して目標に向かっていくという姿勢として描かれていたのは、ちょっと残念でした。もう少し人物間の密度を下げてほしかったとでもいいますか。見に行かなかったけれど、最後の舞台挨拶では3期まで発表されて、調子はよさそうです。
⑥映画 五等分の花嫁
正直、2期の放送が終わったときでも、5人の区別がついてなかったんですよ。たまたま、京都の太秦村で「舞台めぐり」のスタンプラリーをやっていて、人気作品だし、こういうのはやっておくか、と思って参加したんです。大好きな「冴えカノ」は見送ってしまったのに(←これは後悔した)。で、それをきっかけに、1期・2期を見直してキャラの区別がつくようになり、映画のムビチケも第1弾を3枚買ったと思ったら、第2弾で5種類も出て、結局みんな揃えたわけです。さすがに多いと思って1枚は布教したら、入場者特典が8週目までありました。えぇぇ。
原作がある作品なので、テレビシリーズのノリのまま劇場アニメ……と思ったら、意外にシリアスな設定がやってきました。そこまで重いわけじゃないけど、ようやく“人気作”の理由を知れた感じでしたね。単体の作品ではないし、劇場アニメだけの評価としては「端折ってるらしいのに長い」という感じでしたが、今年の作品の中では、このくらいのポジションでいいでしょう。
⑦劇場版 からかい上手の高木さん
そこまで大好きな作品ってわけじゃないんですよ、ホント。たまたま「結城友奈は勇者である」の聖地、観音寺から帰るときに高松から小豆島に行ってみたら、高木さんの聖地と知って、それ以来、出張ついでに毎年小豆島に行ってるわけです。今年なんて、劇場版で取り上げられていた「虫送り」というお祭りに参加してきたくらいです。内容は、いつもの高木さんだけれど、テレビシリーズを3期までやった後の作品らしく、きっちり締めくくられました。めでたし、めでたし。
⑧ブルーサーマル
「舞台めぐり」というアプリでわりと早い時期に実装されていたのですが、もともと「アニメの舞台をめぐろう」というアプリなのに「アニメ化されていないコミック」でした。当時から名前だけは知っていた作品で、劇場アニメができると知ってから興味深く待っていました。主人公はワガママだし、ちょっとリアリティに欠けるかな、そもそもストーリーのわりに尺が足りてないというかエピソードを詰め込み過ぎかな、という印象ではあったのですが、鑑賞後に原作を揃えたくらいには楽しめました。
⑨君を愛したひとりの僕へ
「観る順番で結末が大きく変わる」という触れ込みの1作品目。予告編でもタレント声優がキツい感じだし、こういう“企画もの”はあんまり面白くないことが多いので、怖いもの見たさ、あるいは批判するからには見ておかないと、という義務感から鑑賞しました。そして、そういう覚悟で見たせいか、けっこう楽しめました。「君愛」→「僕愛」の順序で鑑賞し、実際、この順序で見る方がよいという流れになっていたと思いますから「2部作」という形でもよかったと思いますが、あえて「観る順番」を意識させたチャレンジは買います。2作品を1.7作品分くらいの労力で作ったでしょ、という感じもありますが、もともと予算なんて作品ごとに千差万別でしょうし、「観る順番」という要素がなければ、凡作扱いされてオシマイだったかもしれないと思うと、このチャレンジは前向きに評価しています。
⑩僕が愛したすべての君へ
上記の通り。こちら側こそが“結末”といってよさそうだけれど、全体的な話としては“前座”っぽい印象。
⑪かがみの孤城
個人的な今年の覇権映画「ハケンアニメ!」の辻村深月原作だったので、けっこう期待していた作品です。でも、なんだか、そこまで好きになれませんでした。上映前舞台挨拶で辻村先生がネタバレしてないつもりで、色々喋り過ぎていたせいかもしれません。それ、もう設定の予想がついちゃいましたよ。聞いてなくても分かったかもしれないけれど。いや、1年も交流してたら、その設定が分からないわけがないというか、とくにゲーム機なんて時代を象徴するものでしょ。もともと、本作は女子の人気が高いものみたいですし、隣の女性は最後に涙をハンカチで拭っていたみたいですし、私はターゲット層じゃなかった、ということかもしれません。
⑫ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ
キリト視点だったテレビシリーズから、アスナ視点になった劇場アニメの第2弾。そんなにランクを下げることはないじゃないか、という気もするのですが、なんだかバトル展開に飽きちゃったんですよね。アインクラッドの時は面白かったな、という印象があってムビチケは何枚も買ったし、舞台挨拶も見に行ったんですが、我に返ったといいますか。なろうで強キャラが活躍するのと何が違うのかな、と。テレビシリーズに比べれば映像は各段に進化しているし、ストーリーが破綻してるわけでもないし、しっかり作られてはいるんですけどね。
⑬私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ
テレビシリーズは、一応最後まで見たという程度だったし、劇場アニメを作るほど話題になってたっけ?という意味では、まさかの劇場アニメ(←ヤメナサイ)。上映時間は67分(テレビアニメなら3本弱)というフルサイズというには微妙な気もする長さだけれど、テレビシリーズが好きな人には“すべての要素”が詰まった作品で、奇をてらうようなこともなく、安心して楽しめるでしょう。みんなで旅行する、という程度の話で、とりたてて意外な事件が起きるわけでもなく、立てたフラグはきっちり折られ、張った伏線はキレイに回収されていきます。
⑭劇場版 ツルネ
京アニ作品なのと、別に嫌うほどではないので見に行ったという程度です。個人的には、よりヒットしているであろう「Free!」よりはマシなんですが、ストーリーが地味というか、テレビで見ればいいかな、という感じがしちゃうんですよね。映像はさすがの京アニなんですけど。
⑮映画 バクテン!!
男子新体操をテーマにした作品。東日本大震災から10年を機に制作された「ずっとおうえん。プロジェクト」アニメ3作のひとつ。テレビシリーズを締めくくる作品でもあり、いよいよインターハイがメインなのかと思ったら、それは序盤に過ぎませんでした。それじゃ安易すぎると考えたのかどうか、そこでの結果を踏まえた上で決着させようとしたように見えます。でも、本来は、それでリカバーできるような話じゃないというのと、男子新体操であることがあまりストーリー上で役に立っていなかったのが気になるところ。「マイナー競技である」ことは少しだけ入り込んでますが、別にテニスでも、バレーでも同じようなストーリー展開はできそう。たぶん本作品自体が男子新体操の普及に貢献することを意図してると思うのですが、その新体操の演出がリアリティを欠くレベルで派手なのもどうなんでしょうね。どうでもいいけど、イオンシネマ岡山では去年からずっとグッズが売られていたのに上映がなく、グッズが引き上げられてから上映が始まったみたいでした(←なぜ?)
⑯劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略
テレビシリーズの総集編+αの前編。「+α」として、それなりの映像は追加されていますが、もともと2クールで放送されたものであり、かなり端折ってまとめられた総集編です。もともと、あまりテレビシリーズを見返してはいなかったのと、「なんだか分かりにくい話だった」という印象があったので、「こんなに分かりやすい話だっけ?」というところ。むしろ新味が感じられて、まあまあよかったとすら思いました。
⑰劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編]僕は君を愛してる
テレビシリーズの総集編+αの後編。前編よりは分かりにくいというか、テレビシリーズのときにも思いましたが、あんまりついていける話じゃないんですよね。あと“考察”させたがってる感じがして、そういうのがあまり好みではないということはあります。
⑱カメの甲羅はあばら骨
突拍子もないキャラデザとフラッシュアニメのようなぎこちない動きの詰まった予告編には、まったく期待感がなく、キャストの熱烈なファンでもなければ見る人いないんじゃないかと思っていた作品でしたが、旅行先で雨だったのと映画ファーストデイだったので気まぐれに鑑賞。冒頭数分は後悔しきりでしたが、結果としては「意外にまともじゃん」というのが正直な感想。決して映画館の大迫力が活かされているという作品ではないですが、配信やテレビ放送だったら冒頭で見るのをやめていた気がするので、映画館で見たのはよかったと思っています。キャラデザが異端すぎて分かりにくいですが、本編は王道といってもよい青春ストーリーでした。
しかし、よくこの企画を通したな。
⑲地球外少年少女 前編
Netflixで配信された全6話を3話ずつ前編、後編で上映。私は途中で挫折しましたが、同じ原作者の「電脳コイル」が好きな人には好さそうな内容とは思います。画はキレイでしたが、ちょっとキャラ付けがキツいのと、それぞれのキャラの深みがあんまり感じられませんでした。エピソードも取って付けたような話で感情移入しにくかったです。
⑳地球外少年少女 後編
上記の続き。Netflixの後半3話。前編は、一応映画館で見たのですが、後編はNetflixで見てオシマイでした。
㉑雨を告げる漂流団地
「ペンギン・ハイウェイ」の石田祐康監督作品で、コロナの直撃を受けた良作「泣きたい私は猫をかぶる」のスタジオコロリド制作なので、けっこう期待していました。Netflixで同日配信されると分かっていたのに、前売券も2枚買って舞台挨拶も見に行きました。でも、ダメだった。ご都合主義なのかどうか設定がキツイ。そして、子供たちが力を合わせて解決するストーリーになるのかと思いきや、そうでもない。なんというか揉め事ばかりに時間が使われていてフラストレーションがたまりました。
㉒機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
「ファースト&逆襲のシャア」組としては、もとが30分アニメの1話でしかなかったものを、なぜこんな形に作り直したのか、としか思えません。時間が長くなって話に深みが出たというわけでもなく、むしろ薄まった面さえ感じられます。映像はキレイになっているのだけれど、だから見たいというものでもありません。
㉓鹿の王
本屋大賞を授賞した原作モノかつ実績のあるアニメーターの監督作ということで、けっこう期待していた作品でしたが、かなり肩すかしでした。子供向けなのかな、と思うような展開もありましたが、ワクチンとか治療薬が出てきたり、同一視されていたりで、なんだかなーと思ってみてました。とにかく2時間弱の上映が、とても長く感じられました。
㉔オッドタクシー イン・ザ・ウッズ
テレビシリーズが超傑作で完結したので、なにをやっても蛇足になりそうなところ、サイドストーリーでもない“劇場版”が発表されたことが驚きの作品。前売券はお布施のつもりで購入しました。“総集編じゃない”という声もありましたが、わりと予想していた通りの構成で、見方を変えた程度の総集編でした。2時間超という尺をかけて、追加されている映像や設定はあるけれど、ファン必見というものではなさそうです。ある意味、最後の5分が作品の本編。もっと総集編と割り切るか、舞台でやっているみたいにスピンオフでもやればよかった気はします。
㉕犬王
「四畳半神話大系」の湯浅政明監督だからと、けっこう期待して、予告編第1弾では前売券を2枚買ったところ、第2弾で“ミュージカル”という言葉が出てきて一抹の不安を感じ、それでも1枚買い足したんでしたが、そういえば「日本沈没2020」も湯浅監督でしたね、と思い出した作品。こういうのが好きな人もいるのだろうな、という理解はしますが(実際、世間の評価はそんなに低くない)、合いませんでした。歌が長くて、ストーリーが単純。
㉖ぼくらのよあけ
これは、もともとあまり期待していない作品でした。予告編もキャラデザも子供向けかなと思うようなもので、実際そうだったんでしょう。個人的には子供向けというより子供だましと感じてしまいました。とにかく展開が安易。
㉗グッバイ、ドン・グリーズ!
アカデミー賞の出品作品になったと聞いてビックリしたほどの駄作。一応、フォローしておくと、アニメの動きはよくできています。でもストーリーがキツい。基本は「男子ってバカねー」を絵に描いたような内容だけど、本当にバカなのがツラい。序盤、“事件”が起きるまでの展開は我慢するとしても、そこからの展開にリアリティがなくて、全然感情移入できませんでした。90分くらいの作品なので勢いよく見られてもよいはずなのに、終わるまでが長かった。
㉘DEEMO
もとになったというゲームは知りません。映画単体としては凡庸。3DCGが「永遠の831」よりマシだった、という程度。
㉙バブル
虚淵玄脚本の悪い部分が出た感じです。これもアニメの動きはよくできています。劇場公開前に Netflix の配信が始まるので、内容がよければ前売券を買おうと思っていたくらいなのに、全然ダメだった。競技のルールが“ホントにそれなの?”というレベルだし、終盤の展開は「そんなご都合主義が許されるの?」という印象。
㉚永遠の831
WOWOWに加入して視聴。WOWOW開局30周年記念作品、ということでしたが、かなりショボかった。「あした世界が終わるとしても」や「エクスアーム」みたいな、モーションキャプチャをそのまま使うパターンで、映像に落ち着きがありません。ストーリーもかなり微妙で、「社会派をきどってみた」という感じしかしません。なんか薄っぺらい。記念作品だから劇場公開しようとするくらいのレベルを狙ったのだろうけど、かなりひどい。こんなのが記念作品でいいの?というレベル。
以上。
余談ですが、私が初めてアニメのイベントに参加したのは琴浦町で開催された「琴浦さん」イベントなんですが、このとき帰りの電車で向かいに座っていた人が「ほぼ毎週何かのイベントに行ってる。青春18きっぷと高速バスはオタクの友」みたいなことを言っていたんですよね。そのときは、「すごい人がいるもんだな」くらいに思っていたんですが、今年私が参加した舞台挨拶(LVを含む)とか先行上映とかアニメ関連のイベントを数えたら52回ありました。「リコリス・リコイル」と「ぼっち・ざ・ろっく」の先行上映に参加できたのは今年のラッキーイベントなんですが、平均して週1ってことですね。東京はイベントが多いので行きやすいということはあるのですが、京都や沖縄のイベントにも行きましたし、普通にグッズとかも買っているし、かかった費用を考えると、ちょっと怖ろしい……