神保町ブックフェスティバルに行ってきた

連日、勢い余ったエントリばかり書くのも何なので:-)

神保町ブックフェスティバル

この週末に、神田神保町で「神保町ブックフェスティバル」というイベントがあった。今年で20回目だそうだが、息子が生まれる前からほとんど毎年行っているので、かなり早い回から行っていると思う。ただし、もっと古くから「神田古本まつり」は催されてきた。いずれも、秋の読書週間に行われるイベントだ。

今年は台風の影響で土曜日は屋外イベントはすべて中止されてしまったが、昨日は何とか天気ももちこたえてくれた。一番の目当てはすずらん通りと小学館集英社前の広場にあるワゴンセールであり、ワゴンに並べられた本が半額以下で買える場合もある(出版社による)。「少し汚れてますが」と書かれているのは再販制に対する言い訳だろう。以前は、旅行カバンを持って行ったり、折り畳み式のキャリアで済まそうとしたら本の重みで壊れてしまったこともあったくらいだが、ここ数年はそこまで大げさな“装備”をすることもない。毎年出店する出版社が決まっているので、目新しいものばかりではなくなっている。

もっとも本ばかりが楽しみではない、さくら通り側には少しばかり料理店が出店している。ここで昼飯を食べるのも、家族の恒例となっている*1。今年は出かけたのが遅かったので、参加できなかったが読み聞かせコーナーなど子供向けのイベントもいくつかある。「ワゴンに並んだ本を見て、電子書籍思考から目覚めよ」とは言わないので、本好き、かつ行けそうな距離にいる人は出かけてみるとよいと思う。

ワゴンセールと再販制

と言いつつ、少しばかり思ったことを。

ワゴンで安く売られている本は、旧版の在庫処分だったり、売れ残りだったりするものだろう。もしかすると書店に並んでいても気が付かない程度のものかもしれない。おそらく、以前たくさん売れたけど売れなくなったもの、最初からあまり売れてないものなど色々あるのだと思う。そういうものでも、こうして売られているからには定価ベースでの印税が払われているんだろう。この場では、「需要と供給」で値段が決まるので*2、大手出版社のものがそれほど安売りされないのに比べて、小出版社のワゴンで元値が1200円くらいする絵本が3冊1000円で売られていたりするのを見ると、出版社も大変なんだろうなあという印象がある。

一応、再販制には反対しているのだが、定価販売がなくなれば印税の計算も定価ベースでは卸値ベースになるのだろうし、そういう“変化”があると、往々にして力の強い側(通常は出版社)よりも弱い側(通常は著者)にマイナスの影響が大きそうな気もするのであった。

*1:今年はキーマカレーが売り切れていて残念だった。

*2:別に本の定価も長期的な需要と供給で決まっているわけではあるが。