さて、2008年をまとめ終わったので（というほど、たいしたものではないですが）、DNJournal の Domain Sales のデータをもとに、2009年の取引についてまとめておきます。
2009年は、世界不況の影響をもろに受けた年になりました（まあ、かくいう私も影響を受けたわけですが）。2009年の取引ランキングで100位の取引価格は$73,500で、2年続いた「100位まで10万ドル超え」から大きく落ち込みました。10万ドルの取引は65位（タイ）まででした。トップ100の取引総額も約3462万ドルと、前年比で2割以上落ち込んでいます。それでも2006年（総額約2970万ドル）よりはマシと言いたいところですが、より大きく様変わりしたのは上位にランクされているドメイン名です。
トップは Toys R US が買ったToys.com（$5,100,000）です*1。2位以下も Candy.com、Fly.com、Auction.com、Ticket.com、Russia.com、Call.com、Webcam.com、Server.com、Luck.com、Exterminator.com、Christian.com、Brazil.com、Talk.com、Top.com、Rio.com と見事なまでにワンワード.comが続いています。Body.com なんて40万ドルですから Victoria's Secret が買ってもいいくらいです。.com 以外が登場するのは26位の Spel.se（スウェーデン語で "games"）です。もっとも、$375,000 で取引された Jets.com は2003年頃には ebay で数千ドルで落札されたものですから、その時代に比べればずっといい値段です*2。
一昨年くらいまでは、この手の超ド級ドメインは、たまにしか取引されず、しかも超高額なものでした。ところが、世界不況に煽られたような大放出ぶり。これまでにも3800万ドルのオファーを蹴った cool.com が、それよりずっと後に、ずっと安く（←噂）クウェートの大富豪に売られていったというようなケースはあったのですが（これは2003年ごろの最初のドメインバブル崩壊時期）、今また大取引の夢を諦めて売られていったように見えるものばかりです。もっとも買っている側が代わりに夢を見ているのかもしれません。
はたして新たな decade に突入した2010年、世界の景気はどうなっていくのでしょう。そして、ドメイン市場は復活できるのでしょうか。
