Salesforce の凄さ
"database.com"
「セールスフォース、「Database.com」でデータベース参入!」(ASCII)などで報じされている通り、Salesforce がクラウド データベースを発表した。機能についてはニュースなどを参考にしてほしいが、やはり驚いたのは "database.com" というドメインである。こんな決定的なドメインをいったいいくらで買ったんだろうと思って調べてみて、さらに驚いた。登録日は 2001/5/8 だが、2001/8/29 の記録*1で、すでに Software As Service, Inc. つまり Salesforce の名義になっていたのだ。
私がドメイン名に興味を持ち始めたのが、2002年のはじめごろだったが、この頃すでにドメインバブルが崩壊しかけた頃だった。それでも database.com というドメインが自由に登録できたとは思えないので、誰かが更新せずに削除したところを、ドロップキャッチ業者*2を通じて取得したと思われる。それなりに値はついたかもしれないが、当時のことだから数百ドルからせいぜい数千ドルだっただろう。登録日と登録記録には3か月ほどずれがあるから、キャッチした人から速攻で買った可能性もあるが、それでも当時の状況を考えれば“べらぼうな値段”にはならなかったと思う。
Marc Benioff は、当時からインターネットでの自身の成長に賭け、ドメイン名の重要性を認識していたに違いない。
その他のサービス
Salesforce は、もちろん Salesforce.com で運営される CRM サービスで知られているが、2008年には PaaS として Force.com を発表した。これも凄いドメインだ。このドメインは自身で登録したのではなく、前年に Force という名前の人から買ったもののようだ*3。
ASCIIの記事によれば、今年始まった Chatter というサービスの延長線として(?)、来年には Chatter.com というドメインではじまるらしい。このドメインは、つい先月入手したばかりのようだ。
その他のドメイン
Bill.com というドメインは、かつて Marc Benioff 名義だった。現在の Bill.com を見る限り、あまり Salesforce との深い関係はなさそうだが、Advisor に元 Salesforce の人がいるので、融通されたものなのかもしれない*4。
もうひとつが You.com だ*5。まだ使われていないが、このドメインは、私がドメインに興味を持ち始めた頃に売り出されていた。当時のサイトで "low 5 digits"、つまり数万ドルで売ると出ていた。"low" の具体的な数字はわからなかったが、決して高くない。単語.comドメインは、人気が高いし、そうでなくても3英文字.comドメインは底堅い人気がある。3文字の単語ドメインでこの値段というのは掘り出し物に近かった。ニコニコ現金払いできるわけではなかったが、そうしたドメインが適価なら好んで買っていたバイヤーを知っていたから、場合によっては「右から左」という手も考えられた。が、なにしろ私はタダの素人だ。さすがに躊躇した。
そう思っているうちに whois が変わった。新しい名義は Marc Benioff だった。メールアドレスは Salesforce.com 名義。もちろん、この頃には Marc Benioff も Salesforce も知らなかったが、これも先行投資だったのだろう。今後、このドメインで、どんなサービスが登場するのかは非常に興味深い。