英語公用化という今更な話題
楽天の英語公用化宣言
ちょっと古いが、「三木谷浩史・楽天会長兼社長――英語ができない役員は2年後にクビにします(1)」というニュースが流れた時、外資だったら宣言なんてしなくても英語でミーティングってのが当たり前だったりするし、当然そういうスキルのある社員を雇い入れている前提なのだろうと思っていた。「英語ができる口ばっかりの奴が重用されることになる」なんてのは英語ができない人間の妬みであり*1、それはそれで興味深い方針だと思っていた。
ところが、「楽天 英語決算発表の大笑い」(日刊ゲンダイ)によれば、決算発表も英語だったそうで、しかも社員とお客様との会話でも日本語が禁じられている(?)らしい。そこまで英語にしたいなら、ウェブサイトも英語にしてしまえと思わなくもない。というか、「UX*2はビジネスの成功に関係ない」と言わんばかりのウェブサイト*3は、ほんとになんとかしてほしいわけで、社員の英語力よりも、そちらを考えないと、Victoria's Secret とか Land's End とか L.L.Bean なんかに太刀打ちできない気がする。
まあ英語は重要
とはいえ、先月には「シャープ、研究開発部門で英語公用化 電機初 中国語も強化」(産経新聞)というニュースも流れた。そういう企業が増えていくのかなあ、と思ったら「英語公用化で「情報漏えい」もグローバル化する?」(J-CAST)によれば、
シャープ広報室に取材したところ、「そのようなことを決めた事実はない」ということだった。
だそうで、何がどうなっているのやら。
ともかく海外との取引を前提にするなら、英語は必須だろう。私も、学生時代は英語から“逃げて”いたが、社会人になってからはそうもいかなくなった。“国内だけを見てればいい”会社はともかく、国際化を目指す企業や社員には、「英語はできるが仕事はできない奴」なんて皮肉は通じないだろう。
問題は英語が“社内公用化”しなければならないほど重要かどうか。それは楽天やファーストリテイリングの今後で判断するしかないのではないか。ゲンダイの皮肉られたように「仕事はできるが英語はできない奴が残る」というなら、彼らは他の会社に移って、楽天は凋落していくはずだけど、今のところその気配はないよね。
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