2010年のドメイン取引ランキング

DNJournal の Domain Sales の2010年の年間ドメイン取引ランキングについてまとめます。なお、このリストは sedo などを通じて公開された取引に限定したものであり、高額取引の多くは非公開で行われていると推測されます。

2008年のリーマンショック以降、他の市場と同じようにドメイン売買も落ち込みました。しかし、2010年には SEX.COM(1300万ドル)という取引があったため、トップ100の取引総額も4439万ドルと DNJournal が記録を取り始めた2004年以降の最高額となりました。ただし、SEX.COM の取引がなければ総額は3000万ドル程度となるので、取引額はおおむね横ばいと見てよいかもしれません。100万ドル超えは2009年は8つ、2010年は7つ、また100位の取引(e.co、$81,000)は2009年の100位の取引(I.de、$73,500)に比べても若干高い程度であることからも、2009年に比べれば大きな落ち込みはなかったとみることができます。

取引総額(※)
2010 4439万ドル
2009 3462万ドル
2008 4395万ドル
2007 4324万ドル
2006 2970万ドル
2005 1643万ドル
2004 991万ドル

※DNJournal による取引額トップ100の総額。

高額取引の上位にワンワード.comドメイン(単語のみの .com ドメイン)が来るのはいつものことですが、7位のPoker.org(100万ドル)、8位のCredit.fr(587,500ユーロ=約85万ドル)、12位のHomeOwnersInsurance.com(57万ドル)など、ワンワード.com以外がかなり上位に来ているのも2009年の特徴です。

もうひとつ注目できるのが、10万ドルで取引された「日本.com」です(73位タイ)。個人間取引であり、whois が非公開設定になっているため、本当に取引されたのかわからない面はありますが、IDN で10万ドルを超える取引はあまりありません。とくに、日本語がらみで高額取引されたもので記憶にあるのは1万ドルの「東京.net」くらいです。これらの取引には日本人が関わっていないようなので、海外からの将来への期待を込めた価格での取引だったのかもしれません。もっとも、ほとんどの日本人はドメイン名にそれほどの価値を感じていないと思われるため、あまり多くのリターンは期待できない気がします。

※このエントリは、2012年1月12日に投稿しました。