2008年のドメイン売買ランキング

※このエントリは、2010/1/18に投稿したものです。

DNJournal の Domain Sales のデータをもとに、2009年のまとめを書こうと思い立ったのですが、http://domainfan.com/CS/ 時代に2008年の総まとめをしなかったので、1年遅れで簡単にまとめておきます。

2008年の終わりには金融危機に始まる世界不況がドメイン界にも大きな影響を与えました。しかし、それまでは好調が続いていたため、年間を通じた2008年の取引ランキング前年と遜色のないものでした。1万ドル以上の取引はまったく珍しいものではなくなり、前年に引き続きトップ100位までの取引がランキングの対象となっています。

トップ100位までの取引総額は約4395万ドルと、前年の約4324万ドルとほぼ横ばいでした。時期的に、世界不況の影響はさほど受けていないようにも見えますが、2006年には前年比80%増、2007年には前年比46%増という調子で取引額が高騰していたことを思うと、すでに高止まり状態にあったのかもしれません。(2009年への影響は別エントリにて) それでも2007年に続いて100位までの取引がすべて10万ドル超えしていたのは、ドメイン取引が好調を維持していたということでしょう。

7桁(ドルベース)取引は、Fund.com の$9,999,950を筆頭にClothes.com、Shopping.de、DataRecovery.com、Kredit.de、Cruises.co.uk、Invest.comの7個と、数こそは2007年の9個から減っているのですが、3つがccTLDというのは少し驚きです。一方、2文字ドメインの取引の多さも目につきます。LT.com などは10万ドルで取引されていますが、加えて OW.com、25.com、YB.com、CR.com、11.com、WT.com、OV.com、BJ.com、OD.com、AR.com、SC.com という計12個のドメインが10〜30万ドル程度で取引されました。絶対額としては、まったく手が出ないほど高いのですが、大きくプロモーションするようなサービスの基盤にするなら、リーズナブルといってもいい値段です(もっとも、このランキングの価格はプロ市場のものなので、個別には、ずっと高い値段で取引されたりしていると思いますが)。昨今流行りの短縮URLを本気でやるなら、こういうドメインを使ってほしいものです。

しかし、その世界不況はドメイン取引にも暗い影を落とします。この年は、ドメイン界にとって「最後のよき思い出の年」になってしまうのでしょうか。